2024年6月8日未明にサービス停止した動画投稿サイト「ニコニコ動画」を含めた複数のウェブサイトは、11日20時時点でも利用できない状態が続いている。大規模なサイバー攻撃の影響だと、ニコ動の運営会社・ドワンゴは発表している。
過去にサイバー攻撃で、打撃を受けた国内サイトの事例を調べた。
東京五輪組織委のサイトが被害
2015年11月には、2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のウェブサイトが閲覧できない状態になった。当時、複数メディアが報じた。サイバー攻撃によって、12時間利用できなくなったという。
2019年12月、象印マホービンのグループ会社が運営する販売サイト「象印でショッピング」が停止。同サイトへの不正アクセスで、最大約27万件の個人情報が流出した。同サイトは現在閉鎖されているとみられる。なお、直販ECサイト「象印ダイレクト」をオープンすると20年11月末に発表された。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、匿名掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」がアクセス不能になった2010年の出来事を、取材に挙げた。同年3月1日に配信されたJ-CASTニュースの記事では、韓国からのサイバー攻撃でダウンしたとの見方が有力だと報じている。
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サービス停止長引くのは「仕方がない」
井上氏は、今回のニコニコ動画のような被害はしばしば起こると指摘する。サービス停止が長引いている点については、「仕方がない」と評した。
「攻撃の経路や情報漏洩の可能性をチェックするほか、マルウェアが残っていないか確認したり、システム上に穴が見つかれば、それを防ぐ作業も必要になる。急いでサービスを開始するよりも、しっかりと確認したうえで再開する方が良いと思います」