大手チェーン「マクドナルド」のハンバーガー(一部を除く)について、横浜市内の横浜駅の西口と東口の店舗で50円の価格差があることがX上で取り上げられ、関心を集めている。

横浜西口店には、「都心型価格」が適用されており、通常価格の東口に比べて高いのはそのためだ。とはいえ、西口と東口との違いだけで、なぜ価格がこうも違うのだろうか。

「それなら、東口の店へ行ったと思います」

「知らなかったので、びっくりしています。それなら、東口の店へ行ったと思いますよ」

横浜西口店を訪れた40代の主婦は2024年6月11日、J-CASTニュースの取材に、こう答えた。

この女性客は、850円の旨辛チーズてりやきバーガーセットを持ち帰っていたが、東口の店なら770円だった。バーガーだけなら50円の価格差だが、セットなら、その差は80円になる。娘の学校に近いので西口に来たといい、「高いのは嫌ですね」と漏らした。

店を運営する日本マクドナルドでは、23年6月19日付ニュースリリースによると、都心部に立地する184店舗について、7月19日から「都心型価格」を適用している。賃料、人件費などの負担が特に大きい東名阪エリアの一部の店舗で、運営コストが上昇したため踏み切った。

184店舗のリストも明かされており、都心店、準都心店、空港や遊園地内などの特殊立地店の3タイプがあった。その中には、横浜西口店も「都心店」に含まれている。一方、横浜駅の東口にある横浜ベイクォーター店は、都心店などに含まれておらず、通常価格の設定だ。

このことについて、西口店は徒歩5分、ベイクォーター店は駅直結にもかかわず、なぜ西口店の方がハンバーガーなどが高いのかと、X上で7日に指摘され、1万件以上の「いいね」が集まる反響を呼んでいる。

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店舗前で11人に取材、価格差を知っていたのは……?

「店舗で値段違うのは知らなかった」「これはいいこと聞きました」と価格差に驚く声が上がるとともに、その理由についても、様々な推測が出た。「多分店舗のお家賃」「搬入のしにくさですかね…?」といった指摘があったほか、西口が駅前のメインの商業地になっていることを挙げる向きもあった。

横浜西口店の前での取材では、訪れた客7人に聞いたところ、うち6人が価格差について「知らなかった」と答えた。

ハンバーガーが高いことに抵抗感を示す客はいたものの、実際は、価格差に対して理解を示す客の方が多かった。会社員男性(28)は、「高いのは知っていました。ただ、仕事場に近いので、こちらに来ています。集客があるのでしたら、高いのは仕方ないと思っています」と話した。

一方、横浜ベイクォーター店では、店の前で客4人に取材しても、全員が価格差を知らなかったと答えた。こちらも、それに理解を示す方が多く、無職男性(80)は、「店の戦略があり、それぞれの考え方だからいいのでは」と答えた。ただ、大学生男性(25)は、「西口の方が近いのでよく使いますが、物価高ですので、その違いは地味に大きいですね」と明かした。

公式サイトによると、西口店は、繁華街にあるためか、225席あり、24時間営業している。サイトでは、アルバイトの時給は1150円以上だが、深夜は25%割増の1437円以上だった。一方、ショッピングモール「横浜ベイクォーター」内にある東口の店は、その半分近くの130席で、7~22時の営業になっている。アルバイトの時給は1200円以上と、昼間は東口の方がやや高かった。