打線のテコ入れ策は実らなかった。巨人が2024年6月12日の楽天戦(楽天モバイル)で4-5と敗れ、今シーズン、ワーストの5連敗。14年以来となる交流戦優勝の可能性は消滅し、勝率5割に逆戻りした。

チャンスでブレーキになる打席が多い

先発の堀田賢慎が初回に7本の集中打を浴びて5失点。いきなり出鼻をくじかれて苦しい展開となった。

9回に1点差まで追い上げたが反撃は及ばなかった。この試合では2番を打っていたヘルナンデスを5番、5番を打っていた坂本勇人を2番に入れ替える新打線で臨んだが、機能せず。ヘルナンデスは4打数無安打2三振、坂本も5回に遊ゴロ併殺打に倒れるなど4打数無安打2三振と精彩を欠いた。

心配なのは坂本の状態だ。今年は4番・岡本和真の後を打つ5番を託されたが、チャンスでブレーキになる打席が多い。打率.244、3本塁打、17打点で得点圏打率.182と勝負強さが陰を潜めている。

(広告の後にも続きます)

精神的な負担の軽い下位打線で打たせた方が…

スポーツ紙デスクは

「捉えたと思った打球が失速したり、甘い球を打ち損じるケースが目立つ。本人ももどかしさを感じているでしょう。全盛期に比べたら衰えは明らかです。過度な期待を掛けず、精神的な負担の軽い下位打線で打たせた方が調子を上げると思います」

と指摘する。

交流戦は残り4試合。連敗に歯止めをかけなければ、借金生活に突入してしまう。

丸とヘルナンデスの1、2番コンビが機能していたが、5番で相手バッテリーに重圧を掛けられる打者を据えなければ、岡本との勝負を避けられてしまう。

阿部慎之助監督が打線をどのように構築するか。坂本の起用法も注目される。(中町顕吾)