焼餃子に合うもっちりカリカリ感をしっかり楽しめるように工夫された皮を使った焼餃子。皮は一枚一枚手作業で伸ばし、餡をひとつひとつ包み、すぐに冷凍することでできたてのような美味しさが自宅で味わうことができます。
この数年で、餃子の通販はずいぶん増えました。主に中国料理店発信のものが目立ちます。しかし本場中国での麺点師の資格を持つ店主自らが包んだ餃子を通販として販売するサイトはあまり見聞きしません。
調布市国領の「吉春」。注文後に皮を伸ばして餃子を包む、手包み餃子専門店です。お店を切り盛りするのは、中国吉林省出身の吉村千恵子さんと弟の隆一さん。
2人は中国吉林省で、中国人のお父様と日本人のお母様の間に生まれました。吉林省は中国でも小麦粉料理の盛んな土地。小麦粉料理を主食としていて、どの家庭でも餃子はよく作る地方です。
千恵子さんは高校を卒業後、地元のホテルに就職して、餃子のほか饅頭や麺などの小麦粉料理を体得。麺点師の資格を取得した後に、ご両親とともに1995年に来日します。以降、他の仕事を抱えながら、イベントなどで餃子を提供し続け、2020年に国領に「吉春」ののれんを掲げました。
焼きと水でそれぞれ粉の配合が異なっていて、焼餃子はサクカリッとした気持ちのいい食感と、もっちりした皮の心地いい食感の合せ技。水餃子は、小麦粉料理に欠かせない粘弾性がよりはっきりわかる心地いい食感となっています。
一般にECサイトなどで販売する餃子は、調理が焼き色をつける必要のない水餃子が多くなっています。冷凍販売になる以上、焼き目がつく平らな接地面をきっちりつける一手間がかかってしまうのですが、「吉春」の焼き餃子は焼き目のための一手間を惜しみません。きちんと焼けば、きっちりおいしそうな焼き目がつき、サクカリッとしつつもモチモチした皮の食感とみっちり詰まった餡の深い味わいをすべて楽しむことができます。
素材も厳選されています。小麦粉は北海道産からさらに厳選し、その日の温度・湿度によって小麦粉の配合を調整しています。餡の豚肉は山形県産、野菜は地元の調布市産を使い、皮は水餃子よりほんの少し薄く、楽しい食感を演出しています。
店頭ではディナータイムには焼きと水、それぞれ5種類の餡が用意されていて、合計10種の餃子から選ぶことができます。忙しいランチ時には通販と同じく、焼きと水、2種類の「吉春餃子」からセレクト可能。都内はおろか国内でもめったに味わうことのできない、オリジナルの餃子も多士済々。
これまでに「信州山形村の長芋と大葉の水餃子」「旬のフェンネルの水餃子」「にんにくの芽の水餃子、焼餃子」「ちりめんじゃこ入りのにら焼き半月」などさまざまな期間限定餃子にも取り組んでいます。
ちなみに店頭ディナーでのお気に入りはピーマン餃子。「えっ?」と思われた方、取り寄せると同時にぜひお店のほうにもお出かけください。店頭にも驚きの味わいが待っています。