「上りとか下りの表示の色が統一されてないの気持ち悪すぎる」──。

京王井の頭線「池ノ上駅」について、階段通行の案内サインが一部ちぐはぐな配色に感じられる、との指摘がXで議論を呼んでいる。その背景を京王電鉄に取材した。

紺とピンク、ちぐはぐな配色

発端となったのは、Xユーザー・れきまきお(@rekimakio666)さんによる2024年6月10日の投稿だ。冒頭のように伝えながら、駅ホームから上階へ繋がる階段の写真を公開した。

階段には、右側通行を促すための案内サインが張られている。左半分の段の側面には「下り」と紺色で、右半分には「上り」とピンク色で表記がある一方、階段手前の床に示された矢印は下りがピンク色で上りが紺色。進行方向ごとに色分けされていない状態だ。

投稿は5万4000件超の「いいね」を集め、「これは施工ミスでしょ」「普通に貼り間違えだろうね」との声や、「間違ってないように思える」「降りる人は床の赤い表示に目が行き、登る人は階段の前面の赤い表示に自然と目が行くからか~逆によく考えてある」と異なる意見が出ている。なかには、同じ駅内の他の階段は上りと下りでそれぞれ色分けされているとの情報も。

京王電鉄の広報部は12日にJ-CASTニュースの取材に応じ、池ノ上駅は2006年の駅舎改良工事により現在の駅舎になったと前置きした上で「当該箇所の方向表示について、当時は白色を使用していました」と説明。22年3月から、先述したような仕様に変わったという。

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階段自体と、コンコースのルールに基づいて…

当該場所の配色については、2つのルールに基づいて構成されたもので、案内サインの張り間違い・施工ミスではないと説明した。具体的には下記のとおりだ。

「当社の基本的な考え方として、階段の蹴上部分について、上りはピンク、下りは紺色というイメージカラーを設定しています。

また、コンコース上でのお客さま通行区分を分かりやすくするよう、駅出入口から列車へ乗車するまでの動線はピンク、列車を降車してから駅出入口までの動線は紺色としています」

では、実際の利用状況、配色が統一されていないことによる影響はあるのか。Xでの反響をどう受け止めるか。広報部の担当者は「現在、お客さまより当該場所についてお申し出はございませんが、今後も鉄道をご利用いただくお客様の安全と利便性を鑑みて、動線整理を行ってまいります」とコメントした。