絶品焼肉にキムチも!東京最古のコリアンタウン「三河島」でディープ&リアルな韓国グルメを食べ歩いてきた

●コリアンタウンとしては「都内最古」と言われる荒川区の三河島エリア。在日韓国人・在日朝鮮人が多く暮らす街で、ディープコリアングルメを食べ歩いてきた

 東京のコリアンタウンと聞き、まず頭に思い浮かべるのは新大久保界隈ですが、実は「都内最古のコリアンタウン」は荒川区の三河島エリアだと言われています。一見、街の全体はごく普通の古き良き住宅街ですが、散策してみると随所にリアルコリアンな飲食店や惣菜屋さんがあるのがわかります。

 そしてそれらの店は、どこか一ヶ所に集中しているわけではなく、各所に点在。逆に言えば、古き良きコリアンカルチャーが根付く街並みをのんびりとした散策をするにはもってこいのエリアと言って良いかもしれません。今回はこの三河島界隈を散策しながら、ディープコリアングルメを探してきたので、ご紹介していきましょう。

JR三河島駅から京成新三河島駅までのエリアにディープスポットが点在


JR三河島駅。改札の目の前の尾竹橋通りを北上し、京成新三河島駅までの間に、複数のディープスポットがあります

 JR三河島駅を降りると、目の前には尾竹橋通りがあります。南下すると日暮里エリアで、こちらもいくつかコリアングルメの専門店があります。


ハングル文字の看板が目を引く教会[食楽web]

 ただし、街に根付いたディープなグルメは、JR三河島駅から京成新三河島駅までの間に点在しているため、今回はこちらを散策することにしました。


キムチ専門店

 一見、ごく普通の「荒川区」なのですが、街の随所にハングル文字で書かれた教会、キムチ屋さんなどが点在し、地元の人にしかわからない「コリアンの空気」を強く感じることができました。


住宅街に突然現れる「子鳩商店街」

 散策の途中、「子鳩商店街」という小さな商店街を見つけました。住宅街の中に突然現れる商店街で、その雰囲気はミニ飲屋街。日中だったのでどこも閉まっていましたが、ここもまた古くから続くコリアンの夜の癒しスポットだったことをうかがわせます。

「コリアンの良心」を強く感じる千円の絶品焼肉ランチ


尾竹橋通りと明治通りの「宮地」交差点にある焼肉店『ドヤジ』

 界隈の住宅街は一歩入ると「斜めな道」「狭い道」が入り組んでおり、まさに迷宮。地元外にはわかりにくい複雑な作りですが、大人の散策には非常に楽しい街並みでもあります。

 そんな中で、尾竹橋通りと明治通りの交差点という最もわかりやすい立地に、絶品の焼肉ランチを出す店があると聞き訪れました。その名は『ドヤジ』。店先にタオルが干してあったりと「これぞまさしく」の良い雰囲気。


『ドヤジ』のランチのメニュー。1000円前後で焼肉を食べられるのは嬉しいです

 店に入ると、良い意味で過剰なサービスをしない、優しそうなママさんが小さなお子さんをあやしながら接客してくれました。メニューを見ると「カルビ定食」「ハラミ定食」などがいずれも千円。ご飯は大盛または1回のおかわりが無料とのこと。今日びラーメンでも千円超えが珍しくないことを考えれば、これで味も良ければかなりの良店だと思います。

 筆者はここで「カルビ定食」をオーダー。「ちょっとだけご飯大盛で!」という、店の人にとってはややこしい筆者のオーダーにも快く応じてくれました。


「カルビ定食(ちょっとだけご飯大盛)」1000円

 程なくしてグリルの炭に火がつけられ「カルビ定食」がサーブされました。さっそく焼いていきましたが、綺麗に霜が入ったカルビ肉から溢れる肉汁は確かにハイレベル。漬け込みすぎない下味は上品で、これが美味。ご飯がどんどん進みました。


これがもう…絶品!

 もちろん副菜のカクテキ、サラダ、スープも絶品で、まさに“コリアンタウンの良心”としか言いようのない味わいに大感激。三河島ならではの、かなり良い店だと思いました。夜は飲み屋的な雰囲気になるようで、「この店に通うために荒川区に住みたい」とつい思ってしまった筆者でした。

●SHOP INFO
店名:ドヤジ
住:東京都荒川区西日暮里1-2-1 大一物産ビル 1F
TEL:03-3807-5456
営:11:30〜翌1:00
休:なし

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散策のお土産はやっぱり「キムチ」


『丸萬商店』

 さて、お腹いっぱいになったところでカロリーを消費するつもりでまたしばし散策。そして、最後に訪れたのが三河島界隈の“小さなランドマーク”とも言えるコリアン商店街。


地元で知らない人はいない小さなコリアン商店街

 と言っても、尾竹橋通り沿いの小さな路地にある2〜3軒のみの店で構成されるごくごく小さな商店街なのですが、この奥の『丸萬商店』にはかなりディープな韓国食材や、白菜はもちろん様々な野菜や魚介を使ったキムチがズラリ並んでいます。


連なる2〜3軒の、どこまでがその店なのかを示す表示

 特に筆者が好感を抱いたのが店の隅々まで清潔が保たれていること。地元に根付きながらも地元に甘えない。そんなストイックな姿勢を感じました。


「チャンジャ(小)」(450円)、「白菜キムチ」(100g・118円)。共に税別

 筆者はここで「チャンジャ」「白菜キムチ」をお土産に購入。自宅に戻っていただきましたが、これがまた繊細な味わい。辛さと甘さが複雑に入り混じる一方で、素材の味も損なわない、さすがの絶品でした。

おかずとしてはもちろん、酒のアテにももってこいの『丸萬商店』のキムチ類も絶品揃い。今度訪れるときは、肉類や他の惣菜もガッツリ買い込みたいと思いました。

●SHOP INFO
店名:丸萬商店
住:東京都荒川区西日暮里1-4-22
TEL:03-3807-3616
営:月〜土9:00〜19:00 日・祝9:00〜18:00
休:なし

まとめ

 今回、訪れたのは2店舗のみでしたが、それでも十分な満足を得られた三河島散策。住宅街が中心の“静かなるディープコリアンタウン”に点在するコリアングルメは、地域に根付いたリアルな味わい。そして、どこか上品に感じる味わいばかりだったのは以外でした。

(取材・文◎松田義人(deco))