食楽web
●広島県民だけが知っている? 現地でしか買えない&食べられないご当地グルメとは?
広島県といえば、お好み焼きやもみじ饅頭、カキ、尾道ラーメンなど、全国的に有名な旨いものを多数擁するグルメ県。ですが、一般に知られている広島グルメは実はほんのごく一部なのです。
そこで、広島生まれ広島育ち、現在東京在住のライターである筆者が、今まであまり紹介されてこなかった、広島でしか食べられない限定グルメをご紹介します。どうぞ“ご賞味”あれ!
揚げたてアツアツが最高! 揚げたもみじ饅頭『揚げもみじ』
『揚げもみじ』とは、その名の通り広島を代表する和菓子『もみじ饅頭』を揚げたものです。薄い衣をつけて油で揚げたもみじ饅頭は、美味しさがまさに爆増。もみじ饅頭を何度か食べたことのある方でも、まったく新しい食感が味わえるはずです。
揚げたては表面がサクサクしていて、噛むと内側の饅頭部分がフワッ。このギャップがたまりません。いつものもみじ饅頭が、驚きの和菓子に変身します。
現在販売されている揚げもみじ饅頭のラインナップは、あんこ、クリーム、チーズ、瀬戸内レモン(クリーム)の4種。そのときの気分で選んでも、まとめ買いして順番に味わってもOKです。
特に筆者がおすすめしたいのが、瀬戸内レモンです。軽い食感のクリームに瀬戸内海名産のレモン果汁が使われており、レモンが持つ清涼感ある味が、もみじ饅頭の生地と実に相性が良いのです。
現在では宮島に渡らなくても広島の駅ビル「ekie」などで買えるので、気軽に広島ならではのおやつが楽しめます。未知の美味しさを体験したいなら、ぜひどうぞ!
初夏の風物詩・香り高く美味しい地魚『ギザミ』の塩焼き
“ギザミ”というのは瀬戸内海地方固有の呼称で、一般的には“ベラ”と呼ばれている魚です。関東では外道扱いで、釣れてもまず食べることはありません。そんなギザミですが、広島ではむしろ高級魚扱い。釣れたらラッキーな魚と言えるでしょう。写真のギザミは青い色をしていますが、赤い色のギザミもいます。
さて、ギザミは新鮮なら刺身で食べられますが、何と言ってもおすすめは塩焼きです。筆者の好みは塩をたっぷりと振ったギザミをこんがり焼き、身を食べた後は骨をスープにして飲む、という食べ方。ギザミには鯛に少し似た独特の風味があり、これが何とも言えず美味しいのです。
淡白でしっとりしたきめ細やかなギザミの身は、一度食べたらクセになるかもしれません。そのくらい香り高く上品で、忘れられない味なのです。
ギザミがスーパーなどに出回り始めたら、「ああ初夏なんだな」と感じる広島県人は多いハズ。緑が濃くなり、さわやかな風が吹き渡る頃、広島でぜひ食べてみてください。
広島菜でくるりと巻いた大人気のおにぎり『広島菜おにぎり』
海苔の代わりに広島菜を使ったおにぎり、それが広島菜おにぎりです。写真のように広島菜でくるりと巻いたものは、特に「目張りおにぎり」と呼びます。広島菜はその名が示すように広島県の特産品。これを熟成発酵させて漬物にし、三角おにぎりに巻くのです。
広島菜[食楽web]
シャキシャキした歯ごたえの広島菜おにぎりをガブリとかじると、口いっぱいに広島菜漬の青々とした新鮮な風味が広がります。写真のおにぎりは中にゆかりが入っていて、それがさらに美味しさを押し上げてくれます。
こちらも広島の駅ビル「ekie」などで買うことができ、お弁当として旅立つ前に購入するお客さんが行列を作るほどの大人気です。広島菜おにぎりは大きめなので、食いしん坊でも2~3個で満腹になると思います。
こんがり焼いてバリバリかじるのが広島流!『でびら』の干物
最後にご紹介するのが、広島ならではの干物。以前はスーパーの乾物売り場などで普通に売られていたのですが、最近ではあまり見かけなくなってしまいました。そんな幻の干物がこの『でびら』です。
一尾あたりの大きさは約6~8cmほどと、干物にしては小さめといえるかもしれません。原料は「ガンゾウビラメ」または「タマガンゾウビラメ」とのことで、産地は主に福山・尾道・呉。2月から3月が最も出回る時期だそうです。
七輪などでこんがり焼いたでびらは、一般的な干物と比べて硬めに仕上がります。これを頭からバリバリかじるのが広島流。酒の肴としても最高で、香ばしく焼き上がったでびらはビールとの相性も抜群。“旨味のかたまり”といった味で、食べ飽きません。
ただし、先述の通り硬いので、美味しいからと食べ続けていると、気付かぬうちに口の中が痛くなったりするためご用心。とはいえ、それでもまた食べたくなるのがでびらの魅力なのです。
まとめ
今回ご紹介したのは、ほんの一部。広島ならではの、現地でしか味わえないグルメはまだまだあります。旅行や出張で広島に行った際はこの記事を参考にして、広島でしか食べられない・買えないグルメを探してみてください。
(撮影・文◎吹上恵美子)