夏を豊かに彩ってくれる花、マンデビラをご存じでしょうか? トロピカルな雰囲気をまとい、つるをぐんぐん伸ばして爛漫と花を咲かせる花木です。濃いピンクや赤の情熱的な印象を持つ品種もあれば、白や淡いピンクなど穏やかなイメージを漂わせる品種など、多種多様。この記事では、サマーガーデンで活躍するマンデビラについて、特性や品種、育て方まで幅広く解説していきます。
マンデビラとは
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植物名:マンデビラ
学名:Mandevilla
英名:Mandevilla、rocktrumpet
和名:チリソケイ
その他の名前:デプラデニア、ディプラデニア、ジャイアントデプラ、チリジャスミン
科名:キョウチクトウ科
属名:チリソケイ属(マンデビラ属)
原産地:中央アメリカ〜アルゼンチン
分類:つる性低木
マンデビラは、キョウチクトウ科チリソケイ属(マンデビラ属)のつる性の小低木で、原産地は中央アメリカ〜アルゼンチン。およそ100種類が分布するとされています。以前は近縁のデプラデニア属に分類され「デプラデニア」と呼ばれていたため、この名前のほうがしっくりくる方もいるかもしれませんが、現在はマンデビラとして流通しています。
マンデビラはつるを伸ばして生育するので、フェンスやアーチ、パーゴラなど、つるを支えるための園芸資材が必要です。樹高は0.3〜3m。品種改良が進み、コンパクトにまとまる鉢植え向きのタイプから、旺盛につるを伸ばしてグリーンカーテンとして利用できるものまで、さまざまな品種が出回っています。
熱帯植物のため、暑さには強いのですが、寒さには大変弱い性質があります。10℃以下になると生育が鈍くなり、冬に寒くなる日本の気候では地植えでの冬越しは不可能。最初から鉢栽培にするか、生育期のみ地植えで楽しみ、冬前に鉢上げして暖かい場所に移動するなどの寒さ対策が必要です。
マンデビラのライフサイクルは以下の通り。4月頃から生育し始めて葉を展開し、開花は5〜10月と長いのが特徴。11月には生育が止まるので、その前に鉢上げして室内に取り込み、日当たりのよい暖かい場所で管理。越年してまた春になれば新芽が動き出します。樹木に分類されており、上手に管理すれば毎年開花を楽しめる、コストパフォーマンスの高い植物です。
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マンデビラの名前の由来
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マンデビラという名は、この花を発見したアルゼンチンの首都ブエノスアイレス駐在イギリス公使のヘンリー・マンデビル氏に由来しています。
別名には、「デプラデニア」「ジャイアントデプラ」「チリソケイ」「チリジャスミン」などがあります。「デプラデニア」は、前述の通り、かつてはデプラデニア属に分類されていたため。「チリソケイ」はソケイの花に似ていることから、「チリのソケイ」という意味でつけられたのでしょう。ソケイはジャスミンの仲間なので、同様の意味で「チリジャスミン」と呼ばれたと推測できます。