日本の「公的年金制度」は現役世代が高齢者を支える仕組みとなっているため、少子高齢化が止まらない日本では不満の声が聞かれることも少なくありません。しかし、公的年金は老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金など我々の「万が一」のときにも役に立つものです。具体的な事例をもとに、「遺族年金」の仕組みと受給できない場合の“救済措置”をみていきましょう。AFPの石川亜希子氏が解説します。

年金は「老後のためだけ」の制度ではない

日本の公的年金制度のキホン

年金は、私たちの老後の生活において大きな支えとなるものです。日本の公的年金制度は、現役世代が保険料を支払って高齢者の年金給付に充てる「賦課(ふか)方式」を採用しており、いわば仕送りのような形をとっています。

また、公的年金制度はいわゆる「2階建て」の仕組みになっており、1階部分が20歳以上のすべての国民が加入する「国民年金」、2階部分が会社員が加入する「厚生年金」となっています。

このうち、自営業など国民年金のみに加入している「第1号被保険者」は、保険料を自身で納める必要があります。他方、厚生年金に加入している「第2号被保険者」は、保険料を会社と折半で負担し、その負担分は給料から天引きされます(=会社がまとめて国に納める形をとっています)。

また、第2号被保険者の扶養に入っている主婦(主夫)は「第3号被保険者」に該当し、第2号被保険者の負担に含まれるため、個人としては保険料を負担する必要はありません。

年金は大きな支えだが…年金だけで生活することは難しい

2019年に世間を騒がせた「老後2,000万円問題」が、最近では「老後4,000万円問題」と老後必要とされるお金が倍増するなど、老後を年金のみで暮らすことは難しくなっており、自分自身でも老後資金を準備する必要性は増すばかりです。

こうした状況から「確定拠出型年金」など企業や個人で準備する私的年金も増えており、これを指して現在の公的年金制度は「3階建て」とも称されます。

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「障害年金」や「遺族年金」も公的年金制度に支えられている

しかし、公的年金制度は老後のためだけの制度ではありません。病気やケガが原因で障害認定を受けた場合に支給される障害年金、被保険者にもしものことがあった場合に残された家族の生活を保障するための遺族年金、このような万が一の場合にも、私たちの生活は公的年金制度によって支えられています。

老齢年金や障害年金は被保険者(加入者)本人が受け取る年金ですが、遺族年金は被保険者が亡くなったあと、残された家族が受け取る年金となります。

家族にもしものことがあった場合についてはあまり考えたくはないものですが、遺族年金には受給要件があり、仕組みを理解しておくことはとても大切です。