これは、ある夏の忘れられない出来事です。当時、私は妊娠37週目。突然、首にジュクジュクとした湿疹ができました。このときはいつもの湿疹だと思っていたので、まさか病気だったとは想像がつきませんでした! しかも、原因は意外なもの。なんとも思わなかったちょっとした出来事から入院にまで至った体験談をお話しします。
右側の首に謎の湿疹ができ、激しい頭痛まで!
妊娠37週目に入ったある日のことです。ふと気付くと、右側の首の所に痛がゆくてジュクジュクした湿疹ができました。
もともとアトピー性皮膚炎持ちだったので「いつもの湿疹かな?」と思い、しばらくそのまま様子を見ていましたが、湿疹は日に日に広がっていく一方。ただ、いつも使用している常備薬を塗ると症状が落ち着いていたので、特に気に留めることはありませんでした。
それから数日後、その日は偏頭痛がするので早めに就寝。すると夜中に右後頭部にズキズキとした激しい痛みを感じ目が覚めました。
再度、寝ようと試みるも頭が痛すぎて、まったく眠れず……。頭痛薬を飲みたかったけれど、妊娠中ということもあったので薬を飲まずに我慢しました。
朝になったら病院に行こうと考えていましたが、そのうちあまりの痛さに脂汗をかき始め、気分も悪くなったので頭痛に効くツボを調べて押してみたりもしましたが症状は改善されません。しばらく安静にして様子を見ていましたが、これは明らかにおかしい! と判断。
そのまま夜間受け入れをしてくれる近所の総合病院に駆け込みましたが、そこには脳神経外科がなく、ひとまず痛み止めの点滴で応急処置をしてもらい帰宅しました。
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命に関わる病気かも!?
翌朝になり改めて脳神経外科を受診しましたが、MRIの検査結果を見た医師からは予想もしていなかった診断結果が!
「頭部の血管が一部膨れ上がっている箇所があり、未破裂椎骨動脈解離(みはれつついこつどうみゃくかいり)の疑いがあるので専門医のいる市民病院で診てもらって欲しい」と紹介状を渡されたのです。もし診断通り未破裂椎骨動脈解離だった場合、出産時に力んで血管が破裂したら命に関わるという説明がありました。
初めて見る自分の頭部の断面図は、知識のない私でもわかるほど血管が大きく膨れている箇所が確認でき、とてもショックでした。 帰宅後、カロナールという妊娠中でも飲める痛み止めを服用するも効き目はまったくなし。夜になっても痛みが治まらず、「これは血管が破裂する寸前なのでは!?」と不安でたまらなくなり、今にも泣き出しそうになったのを覚えています。
痛みが続く中、「私はともかく、おなかの子に何かあってはいけない……」と思い必死に気を紛らわせようとしましたが、症状は変わらず……。今までに体験したことのない強い頭痛と発熱症状も出てきたので、翌日を待たずして夫と一緒に専門医のいる市民病院へ行きました。
当時はコロナ禍でもあり、ちょうど緊急事態宣言の真っ最中! 私も念のためPCR検査をすることになり、病院の外でしばらく待機することに。
痛みで焦る気持ちのあまり時間の感覚もわからなくなり、時間がたつのが長く感じました。そしてしばらく待った後、無事に陰性が確定しそのまま即検査入院となりました。
市民病院では、脳神経外科と産婦人科が併設されていたため、万が一のことを考えてNSTテストという赤ちゃんの心拍の状態や私自身のおなかの張り具合を診る検査をしながら入院ができたので、とても心強かったです。