夫と2人暮らしの私。幸せな結婚生活を送っていましたが、ある日、夫が予約してくれた高級レストランでとんでもないことが起き……!?

さかのぼること十数年…

話は少しさかのぼりますが、私には、学生時代に苦手な同級生がいました。それは、父親が高級レストランを経営しているという男子生徒。彼のお弁当には料理の試作が入っていることが多々ありました。

「俺の弁当は、高級レストランをやっている父さんが作った超高級弁当!」とクラスメイトにマウントを取り、その上、皆のお弁当をばかにしていた彼のことが、私は好きになれませんでした。

しかし、私の父はなぜか彼の父親と仲良し。私の就職祝いもそのレストランで開催したのです。

そのころ同級生は、父親の店で修行の真っただ中。しかし、接客はひどい対応で、なんと私の膝に前菜をひっくり返す始末。挙句に、「さぁせぇ~ん、足がもつれてしまいましてぇ」とふざけた謝り方をしてきたときには、さすがに見過ごすことはできませんでした。

いくら父親同士が友人でも、こちらはちゃんと料金を支払う客なのですから、ひと言申さねば。おかげで彼は父親からこっぴどく怒られたようでした。

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数年ぶりにレストランへ

その後、私は起業し、すてきな彼と恋愛結婚。やさしくて思いやりのある彼との新婚生活はまさに幸せを絵に描いたようでした。

そんなとき。夫が予約してくれた高級レストランが、何とあの元同級生のお店だったのです。苦い思い出がよみがえりましたが、あれから数年はたっているし、彼も大人になっただろうと覚悟を決めたのですが……。

お店に入るなり、「はぁ……いらっしゃーせぇー……」と気だるげな雰囲気でスマホをいじる彼がいました。おまけに、私に気付いたとたん「お前かよ~。今も昔も貧相なのは変わんねぇなぁ。うちは高級レストランなんだけど? あんたらみたいな貧乏人が出入りしていたら格が落ちるんで、お帰りいただけますか?」と、超失礼発言をしてきたのです。

それでも、温厚な夫が「まぁまぁそう言わず。前から食事をしてみたかったお店なんですよ」と場を収めたため、私はグッと我慢して彼を無視。いったんは席に着いたのですが……。いつまでたっても料理どころか水1つ運ばれてきませんでした。

催促をするも、私たちのことは完全無視! 他のスタッフもこちらは後回しにするよう指示されている様子でした。