ヤマアジサイとインパチェンスの寄せ植え

ヤマアジサイ‘倉木てまり’を主役に、淡い水色の花が引き立つようソフトピンクの花がかわいいインパチェンスとラミウム、チョコレート色のヒューケラ、コデマリ‘ピンクアイス’と組み合わせました。ヤマアジサイはコンパクトな株姿ですが、低木なので他の草花と比較すると草丈は高くなって、鉢の中では株元が寂しく感じられます。ですから、草丈の低い草花でヤマアジサイの株元の空間を埋めるように植栽するとよいでしょう。

インパチェンス(左)はヤマアジサイと開花期が同じで、半日陰を好むので、組み合わせるにはぴったり。ここではバラのように花心が渦巻いて咲くインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’のアップルブロッサムをセレクトしました。インパチェンスの中には梅雨時期に発生するベト病に罹患しやすいものがありますが、フィエスタのアップルブロッサムはベト病耐病性があり丈夫なのでおすすめです。

ラミウム(右)も同様に開花期が同じで日陰でも育つ常緑性の宿根草です。ラミウムも非常に丈夫で這うように育つのでグラウンドカバーとして植栽する場合もありますが、生育が非常に旺盛であっという間に庭中にはびこるので、地に下ろす場合は場所を選ぶことをおすすめします。


ベト病への耐病性を備えた丈夫なインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’のアップルブロッサム。

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ヤマアジサイの寄せ植えの置き場所と管理


ピンクのヤマアジサイ ‘伊予獅子てまり’を主役にした寄せ植え。ピンクの花色に合わせてライスフラワーや葉にピンクの斑が入るワイヤープランツを組み合わせて。

【置き場所】

ヤマアジサイは他のアジサイと比べて強い日差しが苦手ですが、より耐陰性には優れた植物です。直射日光や西日は避けて半日陰になる場所を選んで置くといいでしょう。上の写真の傘型のプランターのように、持ち手がついていて移動しやすいものを選ぶと、日当たりコントロールがしやすいです。

【水やり】

元々沢沿いなどに自生する植物で、湿り気のある土壌を好みます。水切れを繰り返すと花付きが悪くなるので注意して、表土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり水をあげます。

【肥料】

冬期に堆肥と寒肥(かんごえ)として固形状の油かすなどを施します。それに加えて2年目以降は花後にも同様に追肥するとよいでしょう。

【剪定】

成長がゆっくりなので必ずしも剪定する必要はありませんが、剪定することによって花枝が増え、翌年の花付きもよくなります。花が終わった直後に緑色の枝の部分を選んで、下から2〜3節を残して剪定します。

Credit

寄せ植え制作&アドバイス / 難波良憲



八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください。



まとめ・写真 / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。