田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

まだ梅雨入りしていないのに、東京はあじさいの花が終わりに近づいてきてしまいました。いかがお過ごしでしょうか。
この時期、梅雨入りしてしまえば覚悟も決まるのに、その発表がないと雨が降るたびになんとなく落ち着かない。そのような気持ちになりませんか?

山下景子さんのご著書「手紙にそえる季節の言葉365日」によれば、「三余」と呼ばれる“読書に適した時間”があるそうです。

「年の余」 一年の作業を終えて春を待つ冬
「日の余」 日暮まで働いて家で過ごす夜
「時の余」 雨に降りこめられて何も作業ができないひと時

「三余」は読書だけではなく、手紙を書く時間としても適していますね。雨がしとしと降りしきる日は「時の余」。窓を少しだけ開けて雨音を聴きながら手紙をしたためてみましょう。雨音と手書きの相乗効果で、一通が完成するころには気持ちも落ち着き、心晴れの面持ちとなるに違いありません。

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手紙トピック

宮城県の松島へ旅行したときに円通院を訪れたのですが、そこでは四季折々の円通院をおさめた写真のポストカードに御朱印と風景印を押印して送ってもらえるサービスがありました。

たとえば、予定があって旅に参加できなかった友人などに旅のお裾分けとして送ってみるのも良いでしょう。また、ご病気を患っている知人にお見舞い状として送っても喜ばれるかもしれません。

もちろん自分自身に送ってもよし。旅を終えたあと、想い出が遅れてポストに届くのは嬉しいものです。