レイオフは必ずしも悪いことではない
javascript:void(0)
【画像出典元】「Cagkan Sayin/Shutterstock.com」
キャリアを積み、転職のたびに収入額を上げていくのがアメリカ流。日本のように終身雇用は当たり前ではなく、生え抜き社員も少ない分、解雇や即日解雇が珍しくないのは確かです。ただし解雇の理由は会社都合のこともあります。
長年同じ企業に務めた人の場合、解雇されたことはもちろんショックだと思いますが、特にビッグテックでは解雇に応じて失業者側が得になるさまざまなパッケージが用意されていることも。
筆者は2015年に当時のツイッター(現在X)社の会社都合で突然解雇された336人(当時の全従業員の8%)の一人を取材しました。その人はこのように話しました。「レイオフ自体が普通に行われるアメリカではレイオフによって市場に優秀な人材が放出される。エンジニアが次の仕事を見つけるのは難しいことではないため、業界全体ではいいこととして捉えられている」。
よって企業側も思い切ったレイオフができるそうです。当時のツイッターのレイオフのパッケージも「非常に良い」と言っていました。例えば退職後2ヵ月間、給料が支払われ、健康保険もその間は維持でき、さらに退職金も出たそうです。そのため「転職までの金銭的な心配はなかった」と語っていました。
ビッグテックでのレイオフが「新しいキャリアのスタート」と前向きに捉える人が多いのはそういう理由からです。働く意欲がある人にとっては、前述の失業保険制度、もしくは社会保障制度をうまく利用し、失業してもそれほど慌てず転職活動ができる土壌というのがアメリカの現状です。