「ディオール」の2025年クルーズコレクションが、2024年6月3日(現地時間)、スコットランド・エディンバラにあるドラモンド城の庭園で開催された。
「ディオール」とスコットランドが紡ぐストーリー
ファーストルック @DIOR
クリエイティブ ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリにとってのクルーズ コレクションは、世界中に遺されたクリスチャン・ディオールの足跡を辿る機会にもなっている。
今回の舞台となったスコットランドは、創設者ムッシュ ディオールにとって縁のある場所。彼は同地に魅了され、生涯で2度訪れたことがあるほか、これまでに幾度かスコットランドでショーを開催したことも。このように、メゾンとスコットランドには強固に築かれた「絆」があるのだ。
コレクションでは、スコットランドのシンボルであるユニコーンとアザミの花を、「ミルフルール」モチーフのこれまでにないさまざまなバリエーションで展開。それらのモチーフが紋章刺しゅうに転用され、卓越したサヴォワールフェール(職人技)を想起させた。これこそが、「クイーン オブ スコッツ」と呼ばれて親しまれたメアリー・スチュアート(1542〜87年、スコットランド女王)の紋章であり、コレクションのハイライトにもなっている。
庭園で行われたコレクションの様子 DIOR CRUISE 25 FINALE © Adrien Dirand © Drummond Castle
ほかにも、スコットランドの歴史的なキルトをアップデートし、伝統、再解釈、侵犯の間を揺れ動きながら様々な色を組み合わせるタータンを使ったルックも登場。また、ベルベットやレースのような素材のさまざまな質感など、どのルックも対照的な要素を使って見せた。
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スコットランドのクラフツマンシップが光るコレクション
スコットランドの専門メーカーとともに、自然素材を使い続けるよう設計されたラグジュアリーなクリエイションを展開する「ル キルト」とコラボしたルック @DIOR
キルトに関しては今回、マリア・グラツィア・キウリは、イギリスの若きデザイナー、サマンサ・マコアッチを招待。彼女と彼女のイタリア生まれの祖母が2014年に設立したブランド「ル キルト」とコラボレーションし、伝統的なクラフツマンシップを現代の人々に紹介する場にもなった。
他にも、スコットランドの大いなるテキスタイルの歴史に着想を得た今コレクションは、「ハリスツイード」「ジョンストンズ オブ エルガン」「エスク カシミア」「ロバート マッキー オブ スコットランド」といった、「Made in Scotland」の伝統と革新性を兼ね備えたクラフツマンシップを体現する企業とコラボレーション。スコットランドの歴史的なクリエイションに敬意を払うコレクションを展開した。
100年以上の歴史を持つ風習と伝統に基づいたこのファブリック「ハリスツイード」とコラボしたルック @DIOR
スコットランド連隊が着用する伝統的な儀礼用の帽子や、19世紀中頃からはパイプバンドの帽子として幅広く使用されている帽子の製造を手掛ける「ロバート マッキー オブ スコットランド」とコラボしたルック @DIOR
18世紀後半に創業し、完全垂直型の織布工場として、原材料の繊維から衣服を仕立てている「ジョンストンズ オブ エルガン」とコラボしたルック @DIOR
各サヴォアフェールのエクスクルーシブ動画はこちら。
ハリスツイード
ロバート マッキー オブ スコットランド
ジョンストンズ オブ エルガン
ル キルト – サマンサ・マコアッチ
text: Kurumi Fukutsu
・「ミス ディオール展覧会 ある女性の物語」が東京・六本木で開催。ブティックや入場者限定カフェもオープン
・ニューヨークにオマージュをささげた、「ディオール」の2024年フォール コレクション