相続した株式は売るべきか保有すべきか?

株式を相続した場合、売却の時期をどうするかは誰しも考えることでしょう。

当然に相続後は、自身の資産ですので自由に売買が可能です。売却時に利益が出ている場合は、譲渡所得として20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税金が課せられます。

利益は、「売却価格-取得価格-売却手数料」で計算されます。取得価格とは、相続で引き継いだ時の株価ではなく、親が株式を購入した時の価格です。もし、購入時の価格がいくらか分からない場合は、売却価格の5%を取得費とみなします。

そこで、相続税を払うことになった相続人なら、こんな風に思う人もいるのではないでしょうか。「株式を相続する時に相続税を払ったのに、売却時も税金を納めるなんて、負担が大きすぎる」と。このように短期間で同じ資産に2回も税金がかかるケースもあるため、相続から3年10カ月以内に株式を売却する場合は、相続税の一部を取得費とすることができるという取得費加算の特例が設けられています。気になる人は税理士などの専門家に聞くなどして調べてみましょう。

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まとめ

ここまで、親の株式を相続する時の手続きや注意点について見てきました。
ポイントをまとめます。

・親の株式保有の有無が分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)に連絡
・法定相続人の確定のため、親の出生~死亡までの戸籍謄本が必要
・遺言書がない場合は、遺産分割協議書を準備する
・相続放棄や限定承認、順確定申告や相続税の申告には期限がある
・株式相続は、現物分割のほか代償分割や換価分割もある
・利益が出ている株式を売却すると、譲渡所得として税金がかかる 

親から引き継いだ株式を大切に持っている相続人や、大事な節目に使わせてもらうという相続人にお会いする機会がしばしばあります。株式という特徴的な資産ですので、なぜこの株を買ったのか、理由を想像すると亡き親の人柄が見え隠れして思いを馳せることもあるようです。この記事が少しでもお役に立てましたら幸いです。

株式の相続に関するQ&A

Q:父がずいぶん昔に購入したタンス株があります。相続処理は必要でしょうか。

A:タンス株は、株主名簿管理人となる信託銀行の特別口座で管理されています。問い合わせて相続の手続きをしましょう。

Q:父の遺産は誰が相続できますか?兄弟は弟がいます。

A:法定相続人は子となるため、あなたと弟が相続します。配偶者である母が存命なら母も相続人です。