メロンの栽培環境
日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日差しと乾燥を好むため、日当たりがよい場所で栽培します。
【日当たり/屋内】屋外で栽培します。
【置き場所】水はけ、通気性のよい土壌を好みます。地温がしっかり上がるようにマルチングやトンネルを利用するとよいでしょう。
耐寒性・耐暑性
生育適温は18〜30℃で、15℃以下では生育しません。一年草なので収穫が終わったら処分しましょう。
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メロン栽培の手順
土づくり
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【地植え】
メロンは、連作障害が出やすい植物です。連作とは、同じ科に属す植物を同じ場所に植え続けることをいいます。連作障害とは、連作することによって土壌バランスが悪くなって病気や生理障害が発生しやすくなり、極端に生育が悪くなる状態を指します。そのため、前年にメロンと同じウリ科の植物が植えられていない場所を選ぶことが大切です。
苗の植え付けの2〜3週間以上前に、苦土石灰を1㎡当たり100〜150gを散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに、植え付けの1〜2週間前に畝幅を約70cm取り、その中央に深さ15〜20cmの溝を掘りましょう。溝の中へ1㎡当たり堆肥500ml、有機配合肥料180〜200g、熔成リン酸50gを均一にまき、埋め戻して平らにならしておきましょう。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成します。
【プランター栽培】
野菜用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。それぞれの野菜に適した土壌酸度などが異なるので、製品の用途に「メロン」の項目が入っているか、確認しておくとよいでしょう。
植え付け
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メロンの植え付け適期は5月頃です。本葉が4〜5枚ついた苗が好適。茎が太く、節間が短くがっしり締まって勢いのある苗を選びましょう。値段は少し高くなりますが、接木苗を使うと病気に強く、管理がしやすくなります。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、幅約70cm、高さ5〜10cmの畝をつくり、表土を平らにならします。畝ができたら、畝の表面を黒マルチ(ポリフィルム製の被覆資材)を張り、風で飛ばないように四方に土を盛って固定します。黒マルチはできるだけピンと張っておきましょう。黒マルチを張ることで、地温を上げるとともに乾燥や雑草を防ぐほか、泥はね防止になるため病気の蔓延を防ぐ効果もあります。
畝の中央でマルチに穴を開け(カッターでバツ印に切ってもOK)、苗より一回り大きな植え穴を掘り、根鉢を崩さずそのまま苗を植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗を複数植える場合は、株の間隔を80〜90cm離します。植える株数によって、畝の長さを調整します。
植え付け後、つるを誘引するための支柱を畝の片側に数箇所設置して、ネットを張っておきます。
【プランター栽培】
大型プランター、鉢底網、鉢底石、培養土、苗、支柱、ひもを用意します。
大型プランターの底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に市販の野菜用培養土を入れます。水やりの際に水があふれ出ずに済むように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。苗より一回り大きな植え穴を掘り、根鉢を崩さずそのまま苗を植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。
プランターの4隅に支柱を立てます。支柱の10cmの高さ、20cmの高さの2カ所にひもで囲ってあんどん状にしておき、つるが伸びてきたら適宜誘引していきましょう。苗の成長とともに、あんどん状のひも囲いの数を増やし、つるを誘引していきます。
水やり
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【地植え】
下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちます。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補いましょう。
【プランター栽培】
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えます。特に梅雨明け後の高温期は乾燥しやすいので、朝夕2回の水やりを忘れずに行いましょう。高温の真昼に水やりすると、すぐに水の温度が上がり、かえって株が弱ってしまうので、必ず涼しい時間帯に与えることが大切です。
肥料
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【地植え】
花が咲き始めたら、マルチをはがして1㎡につき化成肥料40〜50gを畝の端にまいて軽く耕し、土になじませます。マルチは元に戻しておきましょう。また、実がつき始めたら、通路あたりに同様に追肥します。
【プランター栽培】
実がついたら、10日おきを目安に液肥を与えます。
整枝
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【地植え】
本葉が7〜8枚ついたら、親づるの先端を切り取り、子づるの発生を促します。するとわき芽が出て、子づるが伸びてきます。4本以上出てきたら、元気のいい子づるを2〜3本残し、ほかの子づるは元から切り取りましょう。残した子づるの葉が7〜8枚出たら先端を切り取り、次に出てくる孫づるに実をつけさせます。
【プランター栽培】
親づると子づる2本の、合計3本を残し、ほかはすべて不要なつるが出たら切り取ります。
人工授粉
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【地植え・プランター栽培ともに】
植え付け後、1カ月〜1カ月半後くらいから花が咲き始めます。放任しても自然に受粉しますが、確実に実をつけさせるために、人工授粉をしておきましょう。メロンの花には、雄花と雌花があります。見分け方は簡単で、花の下に膨らみがないのが雄花で、膨らみがあるのが雌花です。一番花はまだ不安定なので、二番花、三番花に授粉します。
人工授粉は花が新鮮なうちの朝、午前9時までに行います。雄花を摘んで、花粉が出ているのを確認して花弁を取り除き、雌花の雌しべに花粉をこすりつけましょう。人工授粉をした日付を書き入れたラベルをつけておくと、収穫適期が分かりやすくなって便利です。
摘果・玉直し・果実の保護
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【地植え・プランター栽培ともに】
●摘果
実がついて2週間くらいまでに、形が整って傷のない果実を、つる1本につき1個残しましょう。残す実以外はすべて摘み取り、残す果実に養分を集中させます。
●玉直し
日光が当たると色づくので、色むらができないように時々果実を回して、裏側にもまんべんなく太陽に当てましょう。
●果実の保護
実が大きくなってきたら、ネットを利用してハンモック状にし、実を載せて支柱にしっかりと固定します。ネットがなければ、ひもで吊るしてもOKです。
収穫
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【地植え・プランター栽培ともに】
育てている品種が熟期に達して、甘い香りがしてきたら収穫します。収穫の際は、ヘタの上をハサミで切り取ります。収穫後は直射日光の当たらない、涼しい場所に置きましょう。
すべて収穫し終えたらあとは枯死してしまうので、黒マルチや支柱、ネットなどの園芸資材を撤去して、株や土中の根を処分しておきます。
病害虫
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【病気】
メロンに発生しやすい病気はうどんこ病、べと病などです。
うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。
べと病は糸状菌が原因の病気で、3〜6月、9月下旬〜11月の気温15〜20℃の条件下、かつ気温差が大きい時に発生しやすくなります。葉に黄色みがかった斑紋が現れ、だんだんと広がって枯れ上がっていきます。気温などの条件が揃うと2〜3日で全体に広がってしまうので注意。チッ素成分が多い肥料を与えすぎると発生しやすくなります。
【害虫】
メロンの栽培で発生しやすい害虫は、アブラムシ、ハダニなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
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メロンを栽培して自宅で味わおう
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甘くて香りがよく、水分をたくさん含むジューシーな果実は、暑い夏のデザートにぴったり。自身で苗の植え付けからスタートし、手塩にかけて育てたメロンは、より一層美味しく感じることでしょう。ぜひメロンの栽培にチャレンジしてみませんか?
(参考文献)
『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流絶品野菜づくり』著者/加藤正明 発行/万来舎 発売/エイブル 2015年5月25日発行第2刷
『はじめての野菜づくり コンテナ菜園を楽しもう』著者/藤田智 発行/日本放送出版協会 2007年5月25日発行
『わが家の片隅でおいしい野菜をつくる』監修/藤田智 発行/日本放送出版協会 2008年2月10日第5刷発行
『別冊やさい畑 野菜づくり名人 虎の巻』発行/家の光協会 2009年2月1日発行
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。