がん治療には、莫大な費用がかかるというイメージを持っている方は多いかと思います。
がん保険に加入しておけば、万が一がんになったときに給付金が受け取れるメリットがあります。
しかし、がん保険は全員に必要な保険ではなく、場合によっては入る必要性が低いケースもあります。
この記事では、罹患率や治療費などがんに関する実際のデータを紹介しながらがん保険の必要性を解説します。
がん保険の必要性が高い人
自営業者や個人事業主の人
がんに罹患した際の治療費を貯蓄で賄えない人
様々ながん治療に備えたい人
がん保険の必要性が低い人
がんに罹患した際の治療費を貯蓄で賄える人
会社の福利厚生や健康保険でカバーできる人
悪性新生物(がん)のリスク
がんは多くの方がかかる可能性がのある身近な病気です。
死亡リスクも高く、治療を開始すると多くの費用が必要になります。
具体的な統計データを確認しながら、がんのリスクについて考えてみましょう。
日本人の死因で最も多いのは「がん」
厚生労働省の「人口動態統計(確定数)2022年」によれば、日本人の死因で最も多くの割合を占めているのが「がん」です。
がんは、30年以上連続で日本人の死因第1位となっており、罹患した場合は死亡するリスクのある怖い病気として認識されています。
また、部位別の死亡数で最も多いのは「肺がん」で、年間で約7.5万人が亡くなっています。
肺がんの場合、がんが進行した状態で発見されるケースが3分の2以上を占めており、早期発見が難しいことが死亡数の多さにつながっていると考えられます。
参考:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
がんの罹患率
日本人が一生涯のうちにがんと診断される確率は、男性65.5%、女性51.2%で、約2人に1人の割合です。
年間で100万件近くの方が新たにがんと診断されていることも踏まえると、罹患するリスクは高い病気といえるでしょう。
以下のグラフからもわかる通り、がんの罹患率は40代から徐々に上昇し始め、60代以降には急激に高まります。
性別による違いを見ると、30代から50代前半までは女性の罹患率が高い傾向にありますが、60代以降は男性の罹患率が女性の2倍以上になることがあります。
※2019年時点における人口10万対の罹患率です参照:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
30代以降に女性のがん罹患率が高まるのは、乳がんや子宮がんのリスクが高まるためです。
以下の年齢別・部位別のがん罹患リスクを示したグラフを見ると、30代〜40代にかけて乳がんや子宮がんの罹患リスクが急激に高まっていることがわかります。
参照:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
一方、50代以降に男性の罹患率が上昇する主な理由の一つとして、「前立腺がん」の罹患者数の増加が挙げられます。
以下の「全国の年齢階級別・部位別男性がん罹患率」のグラフを参照すると、前立腺がんの罹患率は50代から徐々に上昇し始め、60代後半には他のがんを上回る罹患率の高さを示していることがわかります。
※2019年時点における人口10万対の罹患率です参照:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
遅くとも男性は50代、女性は30代を迎える前に、がんに対して備えておくと安心できるでしょう。
がん治療にかかる費用
部位別にがん治療にかかる費用を以下の表にまとめました。
※点数÷件数で計算された結果の小数点第一位を四捨五入した数値をまとめています
※公的医療保険制度が適用された後のがん患者の自己負担分の平均額です参照:令和3年度医療給付実態調査(表番号5 統計表第3表)|厚生労働省
さほど負担は大きくないように見えますが、これらは入院・通院の1回あたりの平均費用であるため、治療期間や治療方法によっては高額な治療費がかかる場合もあります。
一般的にがんは完治まで5〜10年かかるとされているため、治療が長期化して負担が大きくなるケースは少なくありません。
また、公的医療保険制度の対象にならない以下のような費用が発生した場合、さらに負担が重くなる可能性もあります。
公的医療保険制度対象外の治療費
差額ベッド代
先進医療の技術料
自由診療にかかる費用
がんの治療費は高額になる可能性があるため、保険や貯蓄などで備えておくことが大切です。
より詳しいがんの治療費については、以下の関連記事をご覧ください。
がん治療費用の平均はいくら?自己負担額や治療費を払えない時の対処法も解説
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がん保険はいらない?がん保険の必要性が高い人
以下の特徴が当てはまる方は、がん保険の必要性が高いといえます。
がん保険の必要性が高い人
自営業者や個人事業主の人
がんに罹患した際の治療費を貯蓄で賄えない人
様々ながん治療に備えたい人
自営業者や個人事業主の人
自営業や個人事業主の方は、がんの影響で仕事を休むと収入が大きく下がるリスクがあります。
会社員の場合は、病気やケガで働けない状態になり4日以上仕事を休むと「傷病手当金」を受け取れる可能性があります。
「傷病手当金」とは?
病気やケガなどの理由で、働けない期間の生活を保障するために健康保険から支給される手当金のこと。
毎月の収入のおよそ3分の2をカバーできるため、急に収入がなくなる心配はさほど大きくありません。
一方、自営業や個人事業主フリーランスの場合は、傷病手当金のような制度がないため、がんの治療で仕事ができなくなると収入がゼロになり、生活が苦しくなることが予想されます。
がん保険の中には、がん診断時にまとまった一時金が受け取れる商品もあり、収入の不足分に充てることも可能です。
がんに罹患した際の治療費を貯蓄で賄えない人
がんに罹患すると、治療費が高額になることも珍しくありません。
貯蓄の中から治療費を捻出するのが難しい方は、毎月の支出が多くなり生活が苦しくなる可能性があるため、がん保険への加入をおすすめします。
がん保険に加入しておけば、手術や放射線治療、抗がん剤治療などを受けた場合に治療費の負担が減り、治療に専念できます。
様々ながん治療に備えたい人
複数の選択肢の中から自身にとって納得できる治療方法を選びたいと考えている方は、がん保険に加入しておくことをおすすめします。
代表的ながんの治療法は、以下のような種類があります。
代表的ながんの治療法
標準治療:科学的根拠に基づいた現時点で最良とされる治療
先進医療:厚生労働省が認めた高度な医療技術を用いた治療
自由診療:有効性が公的に確認されていない治療
先進医療や自由診療には、標準治療よりも体への負担が少ない治療や効果の高い治療などが含まれています。
しかし、これらの治療は公的医療保険制度の対象外です。
以下の表にもあるように自己負担額が数十万円〜数百万円と大きくなるケースも珍しくありません。
そのため、経済的な事情で治療を断念せざるを得ない場合もあるでしょう。
参照:厚生労働省 令和3年度実績報告(令和2年7月1日~令和3年6月30日)
がん保険に加入しておけば、治療給付金や先進医療給付金などでこれらの費用をカバーできる場合があるため、治療方法の選択肢が広がります。
先進医療の費用相場や種類などについて詳しくは関連記事をご覧ください。
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がん保険の選び方については以下の関連記事をご覧ください。
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