サクランボやブルーベリー、フサスグリなど、瑞々しくきらきらと輝くような初夏の果実たち。食べて美味しいのはもちろん、見た目も可愛い旬の果実類は、フラワーアレンジメントに取り入れても素敵です。フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが今回作るのは、透き通るような真っ赤な果実を房状につけるフサスグリを使った、季節のアレンジ4タイプ。短い期間だけ楽しめるつややかな果実は、季節感を演出するのにも効果的ですよ。食べて美味しいサクランボのこぼれ話も併せてご紹介します。

フレッシュな実ものを飾って

6月になると梅の実をはじめ、ブルーベリーやラズベリーなどのベリー類、サクランボ、ビワ、モモ、フサスグリなど、色鮮やかな果実が実ります。こうした実りが嬉しい果樹を、庭に植えてあるという方も多いのではないでしょうか?

私も、ブルーベリーの鉢植えを育てているところです。葉が茂り、ぐんぐん成長していて、早く実がならないかなと楽しみにしています。

果実は、ジャムにしたり、お酒にしたり、梅干しのように漬けたり、いろいろ楽しめるのが嬉しいですね。そして、実をむだにしてしまうのはもったいないのですが、ひと枝ふた枝、部屋に飾るのもいいですね。今の季節らしいすてきな花アレンジになります。

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スグリの種類

この季節の実物はいろいろありますが、フラワーショップで手に入りやすいものといえば、フサスグリはそのうちの一つでしょう。もう少し早い時期だとまだ出始めの頃で、透明感のある薄黄緑色の実に、葉っぱも黄緑色の爽やかな色合い。さらに季節が進むと、赤く色づいてとてもきれいです。今回は、このフサスグリを使ったアレンジを4タイプご紹介します。

フサスグリ(アカフサスグリ)は、初夏に真っ赤な果実を房状につける果樹。透明感のある直径6~7mmの実がブドウのようになります。英名はRedcurrant(レッドカラント)。これは干しブドウの品種「カラント」に由来するといわれています。こちらの名前のほうが馴染みのある方もいるかもしれませんね。フランス語ではGroseille(グロゼイユ)と呼ばれます。

スグリの仲間で黒い実を付けるクロフサスグリは、英名ブラックカラント、フランス語ではカシス。リキュールやお菓子でよく知られていますね。

そのほか、グリーンや赤の果実のセイヨウスグリ(英名グーズベリー)もあります。グーズベリーは、アヒル料理のソースに使われることからこの名前がついたそう。グリーンの実が、とてもきれいです。