雑草の発生を少なくする方法


damiangretka/Shutterstock.com

雑草の発生は、適切に対処すればその規模を最小限にすることができます。ここではそのポイントを解説したいと思います。

芝を高めに刈る


goffkein.pro/Shutterstock.com

雑草の多くは、発芽する際の条件として太陽の光を必要とします。そのため、芝を刈る場合に地際から2~2.5cm程度の高さで切りそろえることで、光を遮り、発芽しにくくするということがポイントの一つとしてあげられます。

夏芝は秋から冬の肥料を控える


The Toidi/Shutterstock.com

芝生には、夏に成長し冬は休眠して枯れたようになる夏芝(高麗芝・暖地型芝)と、冬も緑を保つ冬芝(寒地型芝)があります。夏芝の場合、休眠期である冬の施肥は余剰であり、他の雑草の肥料となってしまうため控えましょう。冬芝であれば、冬の施肥は葉色をよくするために必要な場合があります。芝の種類を把握し、適切に施肥することが雑草を生やさないポイントとなります。

芝生を密に保つ


Tusumaru/Shutterstock.com

まずは、こまめな刈り込みを行いましょう。芝を密に保つことで雑草の種子が土壌に触れるのを防ぎ、発芽させない効果があります。また芝の種類によっては、他の植物の成長を抑える物質を放出するなど、アレロパシーという作用を強く持ったものもあるため、そのような品種を選ぶことで雑草が生えにくい環境にできる場合もあります。

(広告の後にも続きます)

芝生に生える雑草とは?


chinahbzyg/Shutterstock.com

芝生に生える雑草は強健で、適切に取り除かないと再生したり、増えてしまったりする場合があります。ここでは、芝生に生える代表的な雑草の種類とその対策について解説します。

スズメノカタビラ


Arctic Flamingo/Shutterstock.com

雑草の概要

一見芝と見間違ってしまうような外見ですが、葉が柔らかく、芝のようにランナーは出しません。大きな株になっても抜きやすいので除去はしやすいのですが、とにかく種子散布による繁殖力が強いため、花が咲く前に取り除くことが大切です。乾燥地から湿地まで至るところで繁殖します。

科目

イネ科の一年草

生えやすい時期

多くは秋から冬にかけて開花し、種子を飛ばします。冬には枯れる一年草ですが、越冬し越年草となる場合もあります。

どのように繁殖するか

種子がわずかな隙間に入り込み、そこから種子散布により広がります。発芽し、ある程度育つとすぐに花を咲かせて再び種子を飛ばすため、隙間がある場合すぐに一面に広がります。

防除の仕方、防止策など

光発芽種子のため、芝を高めに刈り込み、種子への陽光を遮断することである程度の予防ができます。また開花前に刈り取ったり、抜き取るなど早期の対応をすることがポイントです。

カタバミ


Julie Beynon Burnett/Shutterstock.com

雑草の概要

クローバーを小さくしたような三つ葉を付け、主に黄色の花を咲かせます。一見可愛らしい植物ですが、繁殖力が強く、種子とランナー、地下茎などで増え、気付くと一面がカタバミということにもなりかねません。

科目

カタバミ科の多年草

生えやすい時期

通年成長し、生息範囲を広げます。また春から秋まで開花し、種子を飛ばします。

どのように繁殖するか

球根の先端からランナーや匍匐茎を放射状に展開します。成長が早く、一面に広がっていきます。また成熟した果実は接触刺激で弾けて広範囲に種子を飛ばします。そのため除草している最中に触れてしまうと一気に弾け、元の木阿弥となってしまうので注意が必要です。

防除の仕方、防止策など

普通に引き抜くだけだと球根やランナーが残ってしまい再び生えてくることになりかねません。スコップなどを使って慎重に株全体を取り除くか、除草剤を用いて根まで枯らすことが望ましいです。

コニシキソウ


simona pavan/Shutterstock.com

雑草の概要

空き地や畑、道端などあらゆる場所に自生しており、切ると白い乳汁が出ます。乾燥にも強く、アスファルトの割れ目などにも深く根を張り生育しています。

科目

トウダイグサ科の一年草

生えやすい時期

春から秋に成長し、次々と花を咲かせ、種子を飛ばします。

どのように繁殖するか

匍匐しながら放射状に茎を伸ばし、それと同時に種子を大量に飛散させて繁殖域を拡大させていきます。

防除の仕方、防止策など

茎は簡単にちぎれてしまうため、引き抜く場合は意識して根元を掴むかスコップなどで根こそぎ取り除きましょう。芝をこまめに刈り込み、密に保つことである程度予防できます。成長した株は根が深くなり抜きにくいので、小さなうちに取り除きましょう。

チドメグサ


Macro Stud/Shutterstock.com

雑草の概要

止血効果があることから、古くは薬として利用されていたこともあります。日向・日陰を問わず、道端や人家の近くに生育し、匍匐性の茎を四方に伸ばします。湿った環境を好み、各節から根を伸ばして、地中、あるいは表土に根を張ります。

科目

ウコギ科の多年草

生えやすい時期

通年成長します。

どのように繁殖するか

匍匐茎が地中、あるいは表土上で伸び、成長することで繁殖していきます。各節ごとに根を張る性質もあるので、茎がちぎれて残っている場合は再度繁殖します。また種子でも繁殖し、わずかな隙間でも生育可能です。

防除の仕方、防止策など

芝生の中にチドメグサが侵入してしまうと地下茎ごと根を綺麗に取り去るのは大変です。こまめに刈り取り、弱らせながら根絶するか、薬剤散布で対処することが望ましいです。

シロツメクサ(クローバー)


ShadeDesign/Shutterstock.com

雑草の概要

クローバーと呼ばれることが多く、誰しも一度は「幸せになれる」という四つ葉のクローバーを探したことがあるのではないでしょうか。クローバーの改良種などはガーデニング素材として活用されることも多く、グラウンドカバープランツとしては好意的に見られる反面、芝生の中に混入してしまうと芝の間を縫ってランナーを四方に伸ばし、根こそぎ取り除くのが難しい植物です。踏圧にも強いため、空き地など日当たりのよい場所だけでなく、公園など人通りの多い場所でもよく見られます。

科目

マメ科の多年草

生えやすい時期

冬期を除き精力的に繁茂します。

どのように繁殖するか

匍匐茎から根を伸ばし、ドーム状に広がっていきます。また種子を飛ばして生育範囲を広げます。

防除の仕方、防止策など

スコップなどで丁寧に根ごと取り去るか、芝には影響の少ない除草剤などを活用しましょう。開花期が春から夏なので、花後、種子ができる前に刈り取るなどして個体数を減らすようにしましょう。

スギナ


White_Fox/Shutterstock.com

雑草の概要

シダの仲間で、胞子茎はツクシとして親しまれています。その栄養茎をスギナと呼びます。古くから生薬としてお茶などに使われています。日当たりのよい土手など、酸性の痩せた土壌に多く見られます。栄養茎を取り除いても地下茎が強健で、わずかに残っているだけで再び芽を出します。

科目

トクサ科の多年草

生えやすい時期

ツクシの成長後に栄養茎であるスギナが成長を始めます。冬期を除いてよく茂って栄養を蓄え、地下茎を伸ばしていきます。

どのように繁殖するか

胞子を飛ばし生育範囲を広げます。また地下茎が四方に伸び、春に一斉に栄養茎を地表に出して繁殖します。

防除の仕方、防止策など

丁寧に地下茎を取り除くことが大切です。わずかでも残っていると再び成長を始めてしまいます。もしくはスギナに効果的な除草剤を散布し、除去しましょう。

ドクダミ


TualekPhoto/Shutterstock.com

雑草の概要

日陰で湿った場所を好み、適地であればわずかな隙間でも繁茂します。触ると独特な香りを放ち、印象に残る雑草です。薬用成分が多岐にわたり、日本の三大民間薬として古くから利用されてきました。地下茎を伸ばし広がります。園芸品種もあり、ガーデニング素材として適切に管理できれば、シェードガーデンでの活用が期待できます。

科目

ドクダミ科の多年草

生えやすい時期

地表部は冬期に枯れますが、地下茎は一年を通して成長します。

どのように繁殖するか

地下茎の勢いが強く、放っておくと一面に広がります。わずかでも地下茎が残っているとそこから再び成長し、繁殖します。

防除の仕方、防止策など

スコップなどで丁寧に地下茎ごと抜き取ります。