「お互い様」や「お陰様」が日本経済を面白くするワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

澤上 日本人は世界でも図抜けて優しい。向こうは、けっこうドライなんだ。自分さえ儲かればいい、とかね。日本人なら誰でも理解ができる「お互い様」とか「お陰様」というのが意外に通用しない。理解できない人が多い。生活者投資家と企業は「お陰様」でつながり、お互いを高めていく。

外国でも、すごく高いレベルの人たちは、こういったこともわかるよ。でも、多くの人たちはそんなことはどうでもいいの。自分さえ良ければと言うの、意外と。

渡部 昔の日本の地方では、知的障がいのある人を村中で世話をしていたりしましたよね。彼が村中の家を毎日、一軒一軒訪ね、村の人たちはそれぞれ10円とか20円をあげたりして、それがその人の一日の生活費になり、野菜を買ったりお肉を買ったりしていた。そういう弱い人を共同体意識で守っていく。そういう良さが日本にはありますね。

澤上 日本人は善意でそうする。海外は、なんでも仕組みにしちゃうからね。

日本人は自然にできちゃうからね。日本人にはそういう優しさだとか思いやり、共同体意識の高さが、本来的に備わっている。

それをもっと大きくしていくと、生活者投資家という概念に行き着く。その概念が広がっていくと、日本経済はもっと面白くなる。

澤上 篤人

公益財団法人 お金をまわそう基金

代表理事

渡部 清二

複眼経済塾

代表取締役塾長