基本的な育て方
ここまで、リクニス・コロナリアの基本情報や特徴、品種などについてご紹介しました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、手入れなど日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説します。
望ましい栽培環境
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リクニス・コロナリアは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。午前中だけ光が差す東側など半日陰の場所でも栽培できますが、あまりに日照不足だと花つきが悪くなり、ヒョロヒョロと徒長した株になってしまうので注意。
寒さには強いので、特に防寒の必要はありません。乾燥には強い一方で、高温多湿をやや苦手とするので、蒸れに注意してください。水はけの悪い場所では、川砂やパーライトなどを施して土壌改良し、少し土を盛って周囲より高くしておくとよいでしょう。
適している用土
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【地植え】
植え付けの2〜3週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。水はけのよい環境を好むので、水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cmくらい土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。このように肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
植え付け
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リクニス・コロナリアの植え付け適期は、4月頃か10月頃です。ただし、適期以外にも苗は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、7〜10号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。リクニス・コロナリアの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐ水があふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
水やりの仕方
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水やりの際は株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまいます。
また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、リクニス・コロナリアは多湿を嫌うので、水の与えすぎに注意してください。いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が白く乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
肥料の与え方
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【地植え】
植え付け時に緩効性肥料を施してあれば、その年の追肥は暑さが落ち着いた9月下旬〜10月に、株の周囲に緩効性肥料を少量ばらまいてよく耕すのみでOK。
越年して以降は、生育が旺盛になり始める少し前の3〜4月と、暑さが落ち着いた9月下旬〜10月の、年に2回を目安に肥料を施します。
【鉢植え】
3〜4月と9月下旬〜10月に、緩効性肥料を表土に均一にばらまいて土に馴染ませましょう。もしくは、この時期に液体肥料を、2週間に1度を目安に与えてもかまいません。
必要な手入れ
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【花がら摘み】
リクニス・コロナリアは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
【切り戻し】
開花後は暑くなって株が蒸れて弱ることがあるので、切り戻して風通しよく管理します。草丈の半分くらいまでを目安に短くカットして、込み合っている部分があればすかし剪定をしておくとよいでしょう。
注意すべき病気や害虫
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【病気】
リクニス・コロナリアは病気の心配はほとんどありませんが、うどんこ病を発症することがあります。
うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。
【害虫】
リクニス・コロナリアには害虫の被害は少ないほうですが、アブラムシが発生することがあります。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
植え替え
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リクニス・コロナリアの植え替え適期は10月頃です。
【地植え】
庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。
【鉢植え】
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢を崩す程度にして植え替えてください。あまり長年にわたって栽培できるタイプではないので、株が古くなって衰えてきたら種まきや挿し芽などで更新するとよいでしょう。
増やし方
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リクニス・コロナリアは、株分け、挿し芽、種まきで増やすことができます。
【株分け】
リクニス・コロナリアの株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株分けの適期は10月頃です。株を掘り上げて数芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直します。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。
【挿し芽】
挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。たくましいですね! 植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、リクニス・コロナリアは挿し芽で増やせます。
リクニス・コロナリアの挿し芽の適期は、10月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に植え穴を開け、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに鉢上げして育苗し、十分に育ったら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【種まき】
種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。
リクニス・コロナリアの種まきの適期は4〜5月か、9月下旬〜10月です。発芽率がよく、こぼれ種でも増えるほどなので、種まきは容易にできます。種まき用のセルトレイに市販の草花用培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。種が隠れる程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで高い位置からやわらかい水流で水やりをしましょう。乾燥しないように管理し、発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗しましょう。ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植します。
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リクニス・コロナリアのおすすめアレンジ
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リクニア・コロナリアは、よく分枝してボリューム感のある株姿となるので、花壇の中央や背景などに利用し、存在感をアピールするとよいでしょう。草丈が高くなるので、前段には草丈20〜40cmの草花を合わせるとより華やかに。美しいシルバーリーフに合わせて、オーレア(黄色)系やブロンズ系のカラーリーフを選び、シックにまとめてもいいですね。