ペアローンを組むデメリット
ペアローンを組むことで、借り入れる金額を上げたり団信やローン控除の点でもメリットがあると分かりましたね。しかしペアローンを組む際には、いくつかのデメリットやリスクもあります。しっかり押さえておきましょう。
団体信用生命保険の保障が分かれてしまうこと
ーペアローンを組む際のデメリットを教えてください。
先ほども挙げたように、団信が分かれてしまうことです。AさんとBさん双方で借り入れてどちらか片方に万一のことがあっても、団体信用生命保険の保障で残高が0円となるのは片方のみのローンです。そのため万一のことがあっても、1人だけで返済を続けられるかどうかは見極める必要があります。
ー保険を分けるメリットでもあり、デメリットでもある部分ですね。
まさしくそうですね。このような特性があるため、借り入れる2人の年収に偏りがある場合、ペアローンで保険を分けるメリットはあまりありません。ペアローンで組む場合は、2人でローン返済を行う「2馬力」でなく「1馬力」になったとしても返済できるイメージをできるかどうか?がきわめて重要になります。
事務手数料や登記費用が2人分かかること
ーローンを借り入れる手続きなども2人分になるのですか?
2人分の住宅ローンを組むため、事務手数料や登記費用なども2人分かかります。どちらの費用も2倍かかるかどうかは金融機関によって異なるためケースバイケースです。
離婚した際のリスクがある
ーそのほかペアローンを組む際に気を付けておいた方がよいことはありますか?
注意しなければいけないのが、離婚したケースです。今後のローン返済をどうするか協議しないといけないことが多くなるため、注意が必要です。
たとえば2,000万円ずつ借り入れているAさんとBさんが離婚した場合、Aさんは繰り上げ返済で2,000万円を完済したとしましょう。その場合、Bさんのローンについて何も責任を負わないで済むかというと、そうではありません。AさんはBさんの連帯保証人になっているため、万が一Bさんがローンの支払いをできなくなった場合、Aさんが代わりに返済しないといけない事態にもなりえます。これがペアローンならではの「2人でローンを返す」という仕組み故のリスクと言えるでしょう。
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ペアローンがおすすめなケースは?
ペアローンには多くのメリットがある一方、デメリットや大きなリスクがあることも分かりました。それでは、メリット・デメリットを踏まえた上でどのようなケースではペアローンがおすすめになるのでしょうか。
手厚い保障を2人で分けたい方
ーペアローンがおすすめなケースを教えてください。
住宅ローンを双方で借り入れ、手厚い保障を双方で分けたい方に向いています。またリスク分散の観点から、双方が同水準の収入であるケースが良いでしょう。仮にAさんは年収が多く、Bさんはそこまで多くないという場合は、収入合算で住宅ローンを1本で借入し、収入が多いAさん1人に団体信用生命保険をかけられる方が多いです。
金利上昇リスクを避けたい方
また他のリスク分散として、金利の種類を変えられるのも大きなポイントです。「ローンをまるまる固定金利で借りるのは金利の負担が大きいため避けたいが、すべて変動金利にすることで今後の金利上昇が怖い」というケースでは、ペアローンが向いています。