ロベリアの種類と特徴
多年草のロベリア・カーディナルス‘クイーン ビクトリア’。Peter Turner Photography/Shutterstock.com
ロベリアは約400種が世界各地に分布していることが分かっていますが、日本で園芸用として主に流通しているのは、一年草のロベリア・エリヌスです。園芸品種は、花つきがよくこんもりと茂る‘アズーロコンパクト’が最もポピュラー。多年草では、真っ赤な花を咲かせるロベリア・カーディナリス‘クイーンビクトリア’、日本・朝鮮半島・中国原産のサワギキョウなどがあります。
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ロベリアを上手に育てるためのポイント
ここまで、 ロベリアの基本情報や特徴、名前の由来、花言葉、品種などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、手入れなど日頃の管理、増やし方など、育て方について詳しく解説します。
ロベリアに適した栽培環境
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ロベリアは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。暑さを苦手とするので、西日が強く当たる場所は避けてください。水はけ・水もちのよい土壌を好むので、植え付け前に腐葉土や堆肥をすき込んで、ふかふかとした土づくりをしておきましょう。冬は常に寒風が吹きつける場所や凍結する場所を避け、暖かな陽だまりなどで越年させます。
ロベリアを栽培するための土づくり
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【地植え】
植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕しておきます。土づくりの後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
ロベリアの植え付けと植え替えで気をつけるポイント
ロベリアの植え付け・植え替えの適期は、3〜4月か、10月下旬〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。
一年草は、夏越しできずに枯死するので、開花期が過ぎたら早めに抜き取って処分してください。多年草は、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、数年経って込み合ってきたら株分けして植え替え、株の若返りを図りましょう。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、5〜7号鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ロベリアの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
一年草は夏越しできずに枯死するので、開花期を過ぎたら抜き取って処分します。多年草は、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。
ロベリアの水やり
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水やりの際は株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏に水やりする場合は、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまいます。
また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、ロベリアは多湿を嫌うので、水の与えすぎに注意してください。いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が白く乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
ロベリアの肥料の与え方
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一年草
【地植え・鉢植えともに】
植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。開花期には、10日に1回を目安に液体肥料を与えて、株の勢いを保つとよいでしょう。
多年草
【地植え・鉢植えともに】
植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、3月上旬と11月上旬の年2回、緩効性化成肥料を株の周囲にまいて軽く耕し、土に馴染ませます。
鉢栽培の場合は、水やりと共に肥料成分が流亡しやすいので、株の状態を見て勢いがないようであれば液肥を施して様子を見るとよいでしょう。
ロベリアを健やかに育てるために必要な作業
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【摘心】
一年草のロベリアは、幼苗のうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂り、花つきもよくなります。
【花がら摘み】
ロベリアは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
【花後の刈り込み】
多年草のロベリアは、多湿になると株が蒸れて弱るので、梅雨前に切り戻して風通しよく管理します。草丈の半分くらいの高さを目安にカットして、込み合っている部分があれば、すかし剪定をしておくとよいでしょう。
気をつけておきたい病気と害虫
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【病気】
ロベリアの栽培では、病気の心配はほとんどありません。
【害虫】
ロベリアに発生しやすい害虫は、アブラムシなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mm程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、シャワーではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。