持続可能な未来のために! 今、ファッションのトップブランドが挑むこと

昨年は、世界の平均気温が観測史上最も暑い年となり、「地球沸騰化」という言葉が世の中を席巻。地球の未来に対する危機感がますます高まる中、ファッションやビューティの分野でも、環境負荷の軽減や生物多様性を重視した取り組みが加速中だ。それぞれのブランドが目指す未来に注目し、意識をより身近なものに!

ルイ・ヴィトン

自然保護慈善団体との環境パートナーシップ


オーストラリア クイーンズランド州にあるヨーク岬半島の40万ヘクタールに及ぶ自然保護地区内で生物多様性の回復を目指す
Photo: Derek Henderson

再生可能なラグジュアリーブランドを目指し、2023年に自然保護慈善団体「People for Wildlife」と5年間の環境パートナーシップを結んだ「ルイ・ヴィトン」。天然資源の再生を目標に掲げ、生物多様性の減少に対して再生を促し、さらに気候変動に対処するための科学的研究なども支援する。その取り組みが初年度を終え、オーストラリアの生物多様性を回復するために行った対策に関するレビューが発表された。主な環境対策としてベースライン測定基準の作成とモニタリング・システムを構築し、科学的測定機器の配備に注力。さらにターゲットを絞った野生生物の保全や火災などの脅威への取り組みも促進した。そして、広範囲のカメラトラップ(センサーを搭載した設置型カメラ)による調査を通して膨大な画像を収集し、保護区内に生息する野生生物の貴重な情報の蓄積にも成功。その結果、この地域のみで育つ可能性が高いユニークなキノコやヘビという2つの新種も発見した。加えて、熱帯雨林地帯の再生のために数千本の木を育てることができる苗床も現在建設中で、経済成長に向けた地域社会のエンパワーメントも積極的にサポートする。


熱帯雨林の樹木に生息する鳥類などの科学的研究にも着手


遠隔地や困難な地形へのアクセスを可能にする最先端の科学的測定機器も配備


稀少な哺乳類や爬虫類などに焦点を当てた種の保全も実施

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プラダ

循環性と持続可能性を追求するRe-Nylon

2019年に誕生した「プラダ」のアイコニックな素材、ナイロンを進化させた「Prada Re-Nylon」コレクション。レディスとメンズのアクセサリーとウェアからなるコレクションの主役は品質を損なうことなく何度もリサイクルできる再生ナイロン糸「ECONYL®」だ。それは、漁網など海から集められたプラスチック廃棄物や埋め立てられた廃棄物を再利用、浄化して作られた再生ナイロンで、複雑な工程を経て循環的な方法で生産されている。今春夏には広告キャンペーンにエマ・ワトソンとベネディクト・カンバーバッチを起用。積極的に保護に取り組むべき「海」を着想源にしたビジュアルを発表した。さらに第2弾となる「Prada Re-Nylon」コレクションと「ナショナル ジオグラフィック クリエイティブワークス」とのコラボレーションでインスタレーションも展開。『ナショナル ジオグラフィック』の写真家や探検家の主導のもと、世界の海洋保全が直面している根本的な課題を探る3つのエピソードのショートフィルムを制作し、注目を集めた。

「ナショナル ジオグラフィック クリエイティブワークス」とのコラボレーションで作成されたショートフィルム


サンゴ礁の壊滅的な被害と地域のコミュニティの取り組みを検証


地中海のエコシステムを取り上げ、問題解決を探りながら、人間の活動が漁業に与える悪影響を伝えた

「Prada Re-Nylon」コレクションは、定番デザインからカラフルなバッグまで幅広く揃うのも魅力。


バッグ“プラダ リエディション 1978”[W23×H28×D12]¥308,000[予定価格](プラダ/プラダ クライアントサービス)


バッグ“プラダ リエディション 1978”[W15×H19×D10]¥231,000[予定価格](プラダ/プラダ クライアントサービス)


イギリス人の女優兼活動家、エマ・ワトソンが今春夏のキャンペーンに登場。環境正義と気候変動対策に熱心に取り組む活動家でもある彼女が海を背景に最新作をまとったビジュアルに