外で遊ぶ子どもと保護者に、優しい眼差しを向けてほしい
――子どもが安心して外遊びに夢中になれる社会をつくるために、必要なことはなんでしょうか?
中川:「子どもは社会の宝」という認識が、当たり前になることだと思います。
近所の子どもと大人が顔見知りで、大人がわが子以外の子どもたちの成長を気にかけて、喜べる。家の前でのんびり日向ぼっこをしていたら、学校帰りの子どもたちが声をかけてくれる、たわいもない話ができる。
子どもが外で遊ぶ声が響く「まち」は、子どもにはもちろん、どの世代の人も安心で温かな、人とのつながりがある「まち」になるのではないでしょうか?
また、冒険遊び場は誰でもつくれます! 私は20年前、ママ友3人で立ち上げました。3人いれば、できちゃいますよ(笑)!
穴掘り遊びの模様。みんなで掘って、こんなに大きく! 達成感あふれる写真。画像提供:NPO法人PLAYTANK
編集後記
先日、昔よく遊んでいた公園に足を運んでみると、思い出の詰まった遊具は撤去され、ボール遊びも大きい声を出すことも禁止されていました。とても悲しくなると共に、今の子どもは外でどのように遊んでいるだろうと疑問を抱きました。
「外で遊ぶのは危険」という点ばかりが注目され、そこで得られるものから目が背けられがちな今だからこそ、中川さんたちの活動は今後の子どもの未来につながるものなのだと感じました。いつかまた思い出の公園が、子どもたちの笑い声であふれることを願うばかりです。
(広告の後にも続きます)
〈プロフィール〉
中川奈緒美(なかがわ・なおみ)
1965年生まれ。立教大学卒。化粧品会社で商品ブランドマネージャ―職を経験した後、出産と夫の転勤を機に新潟県上越市で出産、子育て当事者として子育て支援団体(現NPO法人マミーズネット)の立ち上げに関わる。その後東京に戻り、保育園の立ち上げと運営、一時保育室と子育てひろば室の運営に携わり、2003年に市民活動の冒険遊び場をはじめ、2011年にはNPO法人化して理事長に就任、現在に至る。
NPO法人PLAYTANK 公式サイト(外部リンク)