元外資系バリキャリ金融女子で、会員数1万人を超える業界トップ規模のオンラインサロンを運営する河村真木子さんが、マリ・クレール読者からのリアルなお悩みに本音で答えていく「河村真木子のリアル人生相談」が再開! 今回は、会社を経営している女性の「社員のモチベーションを上げるにはどうしたらいいか」というお悩みに答えていく。
お悩み相談:社員のモチベーションの上げ方
――経営者として奮闘中ですが、社員のモチベーションUPや離職防止策に悩んでいます。(30代女性)
大事なのはコミュニケーションをとることだと思うんです。男性と女性、外国人と日本人でもニーズは違いますし、人それぞれ何がモチベーションなのかは違うので。個々が仕事に求めていることが満たされないと、離職につながってしまうことがありますね。
例えば、日本で働く外国人ですと、祖国に仕送りをしていることもあり、報酬が一番大切だったりしますが、日本人はお金よりもやりがいや楽しさを重視していることも多いです。また、リーダーになりたくて、そのポジションになることで満足感を得る人もいれば、2番手でいることを好む人、現場で働くことを望む人もいます。
経営者やリーダーは、個々のニーズや適性に合わせた働き方を考えることが大切で、モチベーションを上げるために「これがいい!」というものはないんです。ひとくくりにはできませんね。
だからこそ、コミュニケーションが大事。何を求めているのかがわかれば、モチベーションを上げる仕組みを作ることもできます。
――ニーズを聞き取る際のコツなどはありますか?
私の場合は、オンラインサロン事務局のメンバーやカフェのスタッフと、個別に話すことができますが、大企業で大きな部署などをまとめていたりすると、個別面談をするにも限界があると思うのです。
私が以前勤めていた外資系金融企業では、そもそも一人一人と話すことは効率的ではないため推奨されていませんでした。そこでは、組織として大切にしたい特定のグループを決め、そのグループ向けのイベントやプログラムを実施していたんです。上層部と直接話す機会も提供していて。全社員ではなく、会社にとって特に重要な人々のモチベーションを大切にしていましたね。
――状況的に可能であれば、個別に話を聞くのがベターでしょうか?
はい。大企業は役割や仕事の割り当てを替えられますが、小さい組織の場合はそうはいきませんし、先ほど話したようなグループ向けのものでは、多少なりとも要望の取りこぼしが出てしまうと思うんです。
経営者自らがコミュニケーションをとらずとも、誰かにその役割を担ってもらい、把握していくやり方もいいと思います。例えば、現場にコミュニケーションをとるのが得意な人や、他の人の状況をよく把握できる人を配置するといいのではないでしょうか。
うちのカフェ(Holland Village Private Cafe)にもコミュニケーション能力が高く、常に周囲と良好な関係を築ける人がいます。そういった人に定期的に「最近どう?」と声をかけたり、「現場で困っている人はいないかな?」と尋ねたりすると、風通しの良い職場づくりにつながりますよね。
――河村さんのカフェやオンラインサロンの事務局で、実践されていることを教えてください。
それぞれの職場のリーダーを決めて、働きやすくなるようにしていますよ。特にカフェのキッチンスタッフはやりたい人が少ない職種で、スキルや才能のある人を見つけるのがとても難しいのが現状なので、手厚く見るようにしています。
それはオンラインサロンの事務局でも同様で、希少で重要な人材、例えば英語ができて数字に強い人などは特にケアしています。
――自分の市場価値を高めていきたいと考える働き手は多いと思いますが、経営者側も他に代わりのいない人材を大切にするのですね。
日本企業ではあまり言われないので、みなさん知らないんですよね。でも外資系だと、ReplaceableかReplaceableではないか(リプレイサブル=役割が他の人に簡単に置き換えられる)を会議で常に言われていました。
リプレイサブルじゃない人材はすごく大切にして、会社側は離職を防ぐように頑張らなければいけません。逆にリプレイサブルな仕事をしている人は、今はうまく仕事をしていて評価が良くても、なかなか昇給しにくいという一面があります。厳しいようですが、結局はその仕事をしたい人がマーケットに多くいるかどうかに依存しているところがあるため、その視点で「仕事や職場」を見ていくと、キャリアについての展望など、見えやすくなると思います。
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批判はスルー、パーソナリティよりスキル
――今回、他にも「リーダーとして批判された時の向き合い方を教えてほしい」というお悩みも届いていました。
批判については「スルー力」が重要だと私は思っています。自分のしていることを毎回反省していたらスピード感が落ちますし、ある程度自分の信念を持って「失敗しても自分が責任を取る」と思いながら行動しているわけですから、外からの批判も中からの批判も私は結構スルーしています。
――河村さんのSNSは多くのフォロワーがいて、仕事の批判ではなく個人的なことへの批判が来てしまうことがあるのではと思いますが、そんなときはどう気持ちの整理をされているのでしょうか?
一般的には「こんなこと言われたらすごくつらいよね」というような批判でも、私はスルー力があり強いので、わりと楽しんでいたりします。でもSNSでは、多くの人が批判によって気を病んでしまうことがありますよね。もう何件も何件も、いっぱい来るので。
おそらく私は前職で鍛えられてきたこともあり、批判されることに慣れているといいますか、「また言ってるな」と思う程度なのです。真に受けないようにしています。
――「苦手な人と仕事をする際の心がけやアドバイスをください」というお悩みも届いていました。河村さんは、かつての職場などで苦手な人はいましたか?
いましたね。でも私は、その人のパーソナリティと仕事をするというより、スキルと仕事するという考え方なので、パーソナリティが苦手でも問題ありませんでした。
――日本企業ではパーソナリティや育成に重きを置いていて、スキル重視という考え方は少ないかもしれません。
長期的な雇用がベースにあるからかもしれませんね。外資系は短時間で結果を出さなければいけないので、そうは言っていられないんです。「仕事相手はスキルを見る」と割り切ってしまえばより好みをしなくていいので、働きやすいかもしれませんよ。
※お悩みの募集はマリ・クレールのインスタグラムのストーリーで定期的に募集するので、フォローの上、ぜひお気軽にご応募を!
text: Tomoko Komiyama hair & make-up: Erika Nakamura photo: Tomoko Hagimoto
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