報奨金には税金はかかるの?
金メダルとお金(報奨金)
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日本オリンピック委員会(JOC)と日本障がい者スポーツ協会(JPSA)から支払われる公的な報奨金に関しては、所得税法上「全額非課税」の扱いとなります。メダリストの栄誉を称える観点から非課税の措置がとられているのです。
競技団体の報奨金は一定額まで非課税
競技団体の報奨金の場合、金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円までが非課税扱いとなり、超過した額は課税対象となります。
たとえば卓球のシングルスで金メダルをとると、日本卓球協会より1000万円の報奨金が支払われ500万円分超過します。この超過した500万円にのみ税金が発生する形となるのです。
一般企業等からの報奨金は課税対象
選手が所属している企業、スポンサー企業、自治体等がメダルを取得した選手に独自の報奨金を贈ることがあります。こうした一般企業などからの報奨金は課税対象となります。所得区分では「給与所得」もしくは「一時所得」として扱われます。
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今年は世界陸連から賞金が出ることも決定
エッフェル塔とマラソンランナー
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陸上競技の国際統括団体である世界陸連(WA)は、今年2024年に開催されるパリ五輪から、金メダリストに対して報奨金5万ドル(約760万円)を支払うことを発表しました。国際競技団体が金銭での報酬を贈与するのは、今回が史上初の試みとなり、選手にとっては新たな収入源となるため、モチベーションアップや競技の盛況が期待されています。
また、今回は金メダルのみの報奨金となりますが、次回の2028年ロサンゼルス五輪では「銀メダリスト、銅メダリストにも報奨金を送る予定になっている」とアナウンスされています。
なお、こうした世界陸連の試みは、賛美する声もある一方で、「オリンピズム(※)の価値を損なう」「下位選手を無視するもの」など、反発する声も一部から挙がっているようです。
※オリンピズム:「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というもの。オリンピック精神。
以上、オリンピックメダルの報奨金について解説しました。国によっては一生を左右するほどの大金を金メダルの報奨金として用意している国もあり、選手たちの金メダルにかける情熱もはかり知れません。このようなメダルの金銭事情も絡めて競技を観ると、今年のパリ五輪はまた違う視点でオリンピックを楽しめるかもしれません。