東京の九品仏の人気店「INFINI」オーナーシェフの金井史章氏の監修の元、生地には土佐ベルガモットの果汁とピールを練り込み焼き上げて作られた焼菓子。表面にはホワイトチョコレートをコーティングしています。
ベルガモットは、アールグレイ紅茶の香りづけにも使われている柑橘類で、イタリア南部のカラブリア州の特産品です。日本で一般的に手に入るのは輸入品の精油などに限られていましたが、ここ数年、パティシエ達の間で注目されているのが、まだ生産量も限られた“国産ベルガモット”。特に、産地として少しずつ認知されてきたのが高知県です。
そんな高知産ベルガモットに魅せられたお1人が、2020年、東京世田谷区に「INFINI(アンフィニ)」をオープンした人気パティシエ、金井史章氏。自店のお菓子にも積極的に使われています。
金井氏の監修により、土佐ベルガモットを使った「ケーク・シトロン・ベルガモット」が誕生!「シトロン」と言ってもレモンは使われておらず、柑橘は100%ベルガモットを使用していますが、見た目は、ここ数年リバイバルブームで大人気の“レモンケーキ”のイメージです。
生地に土佐ベルガモットの果汁とピールを練り込み、生クリームも加えてしっとりと焼き上げ、表面はベルガモットオイルの香りを加えたホワイトチョココーティング。削ったベルガモット果皮の糖衣掛けも振っています。
封を開けるとふわりと広がる、何とも言えない清涼感。口にすると、どこか花を思わせるエレガントさも漂うベルガモットの華やかな香りに、思わず虜になってしまいます。
合わせるドリンクは、やはり紅茶がお勧め。口の中で生まれるナチュラルなアールグレイに感動すること間違いなし! 5個入りなので、ぜひ、ご家族やお友達と一緒にティータイムを楽しんでください。
このお菓子を製造販売する「はるのテラス」は高知市春野町にあり、自社製造のパンやケーキが人気のベーカリーカフェです。減圧蒸留装置などの最新設備を入れた工房も備え、ベルガモットや生姜など高知県産の農産物を加工したジンジャーエールやシロップ、コンフィチュール、さらに精油までも一貫製造、販売しています。
代表の小林正美氏は、高知県各地の素晴らしい農家の方々と、金井シェフをはじめ多くのパティシエの方々とのご縁を結んでいらした方です。
私も交流ツアーの取材でお店に伺ったことがあり、すぐ近くで栽培しているベルガモットの圃場なども見学させていただきました。ベルガモット果実の収穫期は冬から春。完熟した黄色いベルガモットがたわわに実った温室ハウス内の香りは、思い出してもうっとりするほどです。
ベルガモット自体は、20年程前に全国の果樹試験場に配布され研究が始まったそうですが、なかなか産地化に至る地域はなく、「はるのテラス」でもわずかな栽培農家と情報を交換し、栽培方法の工夫を重ね、ようやく現在の品質に到達したそう。そんな高知の熱い人々に思いを馳せながら召し上がってください!