アロマ文香に向くサンダルウッド精油
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ベースノートの香りの中でも、サンダルウッド(学名 Santalum album、和名ビャクダン、白檀)は、アロマ文香作りに向いています。ビャクダンの名で香木としてお香に使われているので、日本人にたいへん馴染み深く、穏やかで心安らぐ香りです。
南インド、ケーララ州のサンダルウッドの森。DSLucas/Shutterstock.com
サンダルウッドは、熱帯アジアを原産とするビャクダン科の常緑高木で、はじめは自生するけれど、後から寄生根を出して他の木に寄生するという、半寄生植物です。インドでは神聖な霊木として、昔から珍重されてきました。
香木のビャクダンは、仏教の伝来に伴って、中国を経て日本に渡来したと思われます。日本では仏教の儀礼に欠かせない香りとして、焼香や線香の材料に使われ、また、常温でも芳香を放ち、さまざまな薬効もあることから、匂い袋や塗香(ずこう、塗るお香)の主原料として活用されています。木質が堅牢で緻密なので、上質な仏教彫刻や数珠の材料としても珍重されてきました。
サンダルウッドの花と葉。IamBijayaKumar/Shutterstock.com
サンダルウッドの精油は、木部(心材)から水蒸気蒸留法で抽出されます。南インドの、マイスール(マイソール)地方のサンダルウッドからは、貴重な高品質の精油がとれるといわれますが、現在では野生絶滅の危険性が高い「危急種」として、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに載っています。そのため、手に入りづらくなったインド産(Santalum album)に代わり、香りと成分に違いはありますが、同じビャクダン属に分類されるオーストラリア産(Santalum spicatum)や、ニューカレドニア産(Santalum austrocaledonicum)の精油が使われることが多くなりました。
サンダルウッドの精油は、欧米の香水のベースノートとして欠かせないもの。アロマテラピーで使われる植物には、他にも絶滅が危ぶまれるものがあります。一滴の精油を大切に使いたいものですね。
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アロマ文香の作り方
〈用意するもの〉
千代紙(10x10cmまたは 7.5x7.5cm)、化粧用コットン、各ブレンドの精油
〈作り方〉
千代紙を折る。たとう折り(祝儀袋の折り方)や、折り紙のたとう包みが最適。
※文香にふさわしい、素敵な折り紙はいろいろあるので、工夫してみてください。
化粧用コットンを1/6サイズに切る(縦長に1/3、それを横に半分)。1枚に各ブレンドレシピにある精油を垂らす。この時、1滴、1滴、しずくの位置をずらすとよい(1カ所に重なると精油が染み出すのでご注意を)。
まっさらなコットン1枚を上に重ね、これを①の千代紙で包む(コットンの大きさや枚数は、適宜、調整してください)。