横板張りの樹脂フェンス
周囲と庭を隔てるフェンスの前につくられた花壇。
芝生の庭の外周は横板張りのフェンスで囲まれ、外回りからのほどよい目隠しになっています。木製のフェンスに見えますが、これは樹脂フェンスという、高発泡ウレタンの表面にABS樹脂をコーティングしたもの。高発泡ウレタンとは、ウレタン樹脂を発泡させて作る、非常に小さな泡の中に熱伝導率の低いガスが閉じ込められたウレタンフォームのことで、断熱性や気密性に優れる素材です。この高発泡ウレタンを使った樹脂フェンスは、木板のようなイメージが演出でき、色数もブラックのほか、ブラウンの濃淡、ホワイト、グレーなど11色(2024年現在)の多彩なカラーから選ぶことができるため、近年人気上昇中です。
フェンスの足元には、黒いタイルを縁石にした花壇が。植栽が成長すれば、フェンスを優しく隠してよりナチュラルな印象になることでしょう。また、この花壇は少し斜めに傾けて設計されています。庭全体が柔らかいイメージになるよう、細かいところまで配慮が行き届いたデザインです。
道路に面した植栽。グレーの大きめの石で地面をカバーし、モノトーンカラーの住宅との統一感も抜群。
道路からこの住宅を眺めると、玄関前の塀と樹脂フェンスの境目には花壇があり、樹木の足元にハーブのローズマリーが植栽されています。細い縦格子のフェンスを背景にした植栽は、歩行者からの景観をよくするだけでなく、目隠しとしての役割も果たします。風通しや見栄えもよく、ナチュラルな外観のアクセントとして素敵ですね。
(広告の後にも続きます)
素材とカラーコーディネートのポイント:ホワイトとブラックの比率を同じにしないこと!
正面以外から見た景観も、すっきりときれいにまとまっています。
シンプルモダンの基本は、モノトーンカラーとしてホワイトとブラックのコントラストを明確にすることですが、それぞれの面積の比率を同じにしないことでバランスが取れますよ。また、こちらの住宅のように、上部を明るく、下部を暗くすることで、住宅全体を見たときに安定感が生まれ、高級感も演出できます。
サッシやフレームなどのパーツもデザインのポイント。ブラックにすると引き締まったイメージ、グレーにすると和らいだソフトなイメージになります。また細いフレームであれば、濃い色でも薄い色でも繊細なイメージになりますが、太いフレームは濃い色にすると、時に野暮ったいイメージになることもあるので、よく検討してみましょう。