家電メーカーは旬の若手俳優

2011年に日本市場に参入した家電メーカー大手のハイセンスは今年(24年)、日本市場のテレビ商品の新アンバサダーに俳優の横浜流星を起用した。

大画面、高画質を前面に出す同社は、横浜流星を起用した理由に「俳優として常に『高品質』な演技を追求し続ける」点を挙げた。



ハイセンスは今年、横浜流星をアンバサダーに起用した(ハイセンスジャパンプレスリリースより)

一方ハイセンスグループ傘下の「REGZA(レグザ)」は6月20日、新ブランドアンバサダーに起用したSnow Manの 目黒蓮と新商品のお披露目を行った。



目黒連が出演するレグザのCM(Youtubeより)

ハイセンス、レグザはいずれも勢いがある旬の男性タレントを選んだという点で共通している。

ハイセンスの昨年までのブランドアンバサダーは綾野剛、レグザは小栗旬で、男性の二枚目タレントという路線は変わらないが、新製品が「AI搭載」や「スマートフォンと連携」を売りにしているからか、年齢はかなり若返っている。

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プロ野球で日本人にアピール

日本市場での認知度を高めるために、プロ野球も活用されている。

ハイセンスジャパンは23年、横浜DaNAベイスターズのユニフォームスポンサーに就いた。



ハイセンスジャパンは2023年、横浜DeNAベイスターズのユニフォームスポンサーに就いた(ハイセンスジャパンプレスリリースより)

サッカー人気が高い中国では、大手企業はサッカーの国際大会や欧州の強豪チームとスポンサー契約を結んで宣伝に活用することが多い。

特にワールドカップのような大会は世界中のサッカーファンが視聴するため、グローバルでの宣伝効果も抜群だと考えられている。最近では中国企業のマーケティングの担当者から「サッカー欧州選手権に絡めたキャンペーンを実施する」という話をよく聞く。

ハイセンスも例に漏れず、というより同社はサッカーW杯で18年のロシア大会、22年のカタール大会とスポンサーを務めるサッカーマーケティングの筆頭格と言える企業だ。

だが、日本では野球人気の方が高いとみて、以前からプロ野球のスポンサーになる機会を探してきたという。ハイセンスジャパンの李文麗社長はJ-CASTニュースBizの以前のインタビューで、「ピッチャーマウンドの広告やイニング間にファンとオフィシャルパフォーマンスチーム『diana』がリレー対決するイベント『ハマスタバトル』など、ベイスターズから提案いただいた施策が話題になり、スポンサー初年度に協賛認知度19%を達成できました」と効果を語っている。

ショート動画アプリTikTokなどを運営するバイトダンスのビジネスプラットフォーム「Lark(ラーク)」は23年1月、ヤクルトスワローズの村上宗隆選手をブランドアンバサダーに起用したと発表した。

村上選手は22年シーズン、日本人最多となるシーズン56本のホームランを記録、史上最年少で令和初の三冠王にも輝き、流行語『村神様』も生まれた。認知度を上げたい企業にとって、これ以上ない人選と言っていいだろう。

Larkは23年1月1、2日、村上選手のアンバサダー就任を報じる「号外」を渋谷駅、浅草駅など首都圏5カ所で配布する力の入れようだった。



チャットやウェブ会議システムなどを一元化したビジネスツールのLarkは昨年、「村神様」をアンバサダーに起用した(Larkプレスリリースより)