パリのボン・マルシェにオープンした「ポレーヌ」。日本で人気のアイテムは?

2016年にフランスで生まれたレザーグッズブランド「Polène(ポレーヌ)」が6月3日、パリの老舗百貨店ボン・マルシェに新しいブティックをオープンした。ポレーヌは現在、パリ、ニューヨーク、東京、ソウルに路面店を構える。戦略的に路面店にこだわってきたが、今回、ボン・マルシェ側からオファーがあり、初めての百貨店への出店を決めたという。メゾンの世界観を凝縮した空間で、ブランドの魅力を探った。

鉱物の地層を再現したブティック

大胆でクラシックなライン使いと、流れるような優美な曲線の組み合わせにより生み出される立体美は、ポレーヌの魅力の一つだ。モノクロームの空間に現れた鉱物の地層は、ポレーヌのこうした彫刻的な美しさや自然を表現している。地層は、パリの街並みを構成するオスマン建築の装飾の制作や修復に使われる石膏(せっこう)職人の技術を駆使して作られた。ブティックの中央には、フランスの家具職人ロビン・プパールが木彫りした特注テーブルも置かれている。


ボン・マルシェのブティックに再現された地層と、中央に置かれた特注のテーブル

ポレーヌは2016年にパリで立ち上げられた、新興のブランドだ。ミニマルでモダン、そしてどこか温かみのあるデザインが消費者の心をつかんできた。アメリカのテレビシリーズ「エミリー、パリへ行く」で主演のリリー・コリンズのスタイリングに登場すると、世界的な注目度も急上昇した。

レザー素材はイタリアとスペインの厳選したタンナー(製革業者)から調達。高級革製品の生産に特化したスペインの町ウブリケの職人がすべて手作業で仕上げている。メゾンにクリエイティブディレクターは存在せず、デザインチームが自由にアイデアを出しながら独創的なデザインを生み出している。あらゆる事業を自社で行うことにこだわっており、広告素材の撮影や制作なども社内で手がけているという。

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日本で人気のアイテムは

日本では東京・表参道の路面店のほか、オンラインでアイテムを購入することができる。普段使いしやすいデザインと手頃な価格設定が相まって、日本でもファンが増えている。ポレーヌによると、購入可能な商品は世界共通だという。日本で現在人気のアイテムを担当者に聞いた。

設立当時から根強い人気を誇るのが「Numéro Un」と小さいサイズの「Numéro Un Nano」。ころんと丸みを帯びたフォルムに施されたプリーツが特徴だ。カラーやレザー素材の組み合わせにより、「Numéro Un」「Numéro Un Nano」それぞれ16種類ずつのバリエーションが展開されている。目当ての商品があって来店しても、バリエーションの豊富さに、店舗で迷ってしまう人も多いという。


「Numéro Un Nano」エディション トリオ キャメル ¥65,000(税込み)


プリーツはウブリケの職人が手縫いで固定している

ゆったりとしたドレープが柔らかい印象を与える「Numéro Neuf」と小型の「Numéro Neuf Mini」も人気アイテムの一つ。本体と持ち手が一体化したデザインとなっている。その見た目から「ぎょうざバッグ」と呼ぶファンもいるそう。


「Numéro Neuf」トープ テクスチャード ¥84,000(税込み)

流れるようなフォルムが軽快な「Tonca」のデザインは、甘い香りを持つ「トンカ豆」にインスピレーションを得て作られた。肩にかけてもクロスボディで身につけても、スタイルを彩ってくれそう。


「Tonca」エディション デュオモーブ ¥75,000(税込み)