高齢者に身元保証人が必要になる場合やいないときの対処法を解説

入院や介護施設への入所のときに必要となることの多い身元保証人です。

しかし、どんなときに必要になって、身元保証人が用意できない場合はどのように対処すればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、高齢者に身元保証人が必要になる場合やいないときの対処法、相談先などについて詳しく解説します。

高齢者のトラブルに多い”身元保証人”とは?

身元保証人とは、入院や介護施設への入所などのときに万が一支払いが滞ってしまった費用を立て替えてくれたり、緊急の連絡先になってくれる人を指します。

身元保証人は入院や介護施設への入所の際にかならず必要ということはありませんが、病院や介護施設側が費用を支払ってもらえないと困ってしまうため、身元保証人を必要とするケースが多いです。

一方で、家族と疎遠になってしまい身元保証人になって欲しいと依頼しにくいという場合や、家族に迷惑をかけたくないなどの理由から高齢者が身元保証人を立てられないというケースも増加しているのです。

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高齢者に身元保証人が必要になる場合

高齢者に身元保証人が必要になる場合は以下の通りです。

病院へ入院するとき
介護施設に入所するとき
施設で亡くなったとき

それぞれの場合について、以下で詳しく解説します。

1.病院へ入院するとき

病院に入院する場合の身元保証人の役割は、緊急連絡先と入院費用の支払い保証です。

多くの病院では入院のときに身元保証人を必要とするため、基本的には身元保証人が必要であると考えておきましょう。

ただし、医師法の19条では”診療に従事する医師は、診察治療の要求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。”と定められているため、身元保証人がいないだけで医療行為を受けられないことにはなりません。

(出典:e-gov「医師法」)

とはいえ、病院側とのトラブルを避けるためにも、身元保証人が必要と言われた場合は用意する必要があります。

2.介護施設に入所するとき

介護施設に入所するときの身元保証人の役割は、緊急連絡先、診療治療の手続き、月額費用の保証です。

介護施設によっては身元保証人が必要ない場合もありますが基本的には必要となりますし、身元保証人と連帯保証人をそれぞれ用意しなくてはいけない施設もあります。

連帯保証人は民法466条によって損害をすべて賠償する責任が義務付けられているため、身元保証人よりも依頼するハードルが高くなるため気をつけましょう。

(参照:e-gov「民法」)

3.施設で亡くなったとき

被保証者が病院や介護施設などで亡くなった場合、身元保証人は遺体を引き受ける必要があります。

遺体を引き取ったあとは、葬儀の手続きや事務手続き、遺品整理、退去手続きなどを行う必要もあります。