プロ野球中日、阪神などでプレーした元楽天監督の田尾安志氏(70)が2024年6月30日にユーチューブを更新し、阪神・岡田彰布監督(66)の発言に苦言を呈した。
阪神は2024年6月30日、神宮球場でヤクルトと対戦し5-6の逆転負けを喫した。
「監督としてもし、一言いうのであれば…」
4回に2点を先制した阪神は、その後3点を追加しリードを広げた。ところが4点リードの8回にリリーフ陣が崩れ、5点を失い逆転を許した。9回は無死からランナーを出すも得点できなかった。
田尾氏が注目したのは、9回の攻撃に関する岡田監督の試合後の発言だ。
1点ビハインドで迎えた9回。先頭の森下翔太外野手(23)がレフト前ヒットで出塁するも、4番・大山悠輔内野手(29)がダブルプレーに倒れた。
2死走者なしから前川右京外野手(21)が四球を選び出塁し、植田海内野手(28)が代走に起用された。続く佐藤輝明内野手(25)がレフトフェンス直撃のヒットを放つと、3塁コーチャーの藤本敦士コーチ(46)が腕を回し、1塁走者の植田がホームに突入した。
結果、植田はホームでタッチアウトとなり試合終了。チャンスを生かせなかった阪神が逆転負けを喫した。
スポーツ紙の報道によると、岡田監督は9回の場面を振り返り、「1点負けてるんやで。信じられへんわ」とし、何でも行けじゃないやろ」と藤本コーチの判断に怒りをにじませたという。
田尾氏は、このような岡田監督の発言に対して「ここを責めてはいけないところではないのかなと思った」と指摘し、次のように持論を展開した。
「監督としてもし、一言いうのであれば、『今まで頑張ってくれたリリーフ陣が今日はやられたと。特に桐敷(拓馬)、漆原(大晟)という今までしっかり投げてくれたリリーフピッチャー2人が、無駄なフォアボールを出してしまった後にヒットを打たれた。ここは反省するべきところではないか』というようなコメントを言ってくれれば、そうだよなと思ってすんなり聞いていた」
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「監督としてもカリカリしていたとは思う」
そして、プロの監督経験者として、こう続けた。
「サードコーチャー藤本が、『あそこでホームまで行け』と指示をしたことについて信じられないというコメントを多分したと思う。これは言ってはいけない言葉だと思った。ああいうところの判断は、現場の1番近い人が決めるわけだから。あそこで止めるべきではないかと言われたら、次にああいうきわどいところは回せなくなる。『ツーアウトからの迷ったとき、サードコーチャーは必ず手を回してくれ』これは僕が監督の時にコーチャーにお願いしていたこと」
2連敗のチームは貯金ゼロとなりリーグ4位に転落。5位に並ぶヤクルトと中日に3ゲーム差に迫られている。
このような状況に田尾氏は「今日は絶対に勝てると思っていたゲームを逆転負けしたことによって、監督としてもカリカリしていたとは思うが、そこは何とか自分で気持ちを静めて冷静に一言そういうコメントがほしかった」とし、岡田監督の発言が今後チームに与える影響を不安視した。
「『結局、34勝34敗。5割まできたが、今日の最後まで諦めない姿勢、これは明日からのゲームにつながります』そういうようなコメントで締めたら、藤本コーチも救われただろうし、植田も救われた。大逆転負けしたゲームだったが、監督がそういうふうに言ってくれた。ありがいたなと。明日からもまた頑張るぞというエネルギーに変えられる可能性が十分にあったと思う。あの一言は明日らか大丈夫かな。逆に心配になる一言だった。チーム内ガタガタしないかと。そっちの方が心配になりました」
チームは2日からアウエーのマツダスタジアムで首位・広島と3連戦。5日からホームに戻り、2位DeNAとの3連戦を予定している。