40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌『グリーン情報』最新号から最新トピックスをご紹介! 2024年5月号の特集は、「未来へつなぐ みどりとコミュニティ」と「世界バラ会議福山大会2025から世界に誇るばらのまちへ」、そして「座談会:『幸せを創る明日の風景』の実現に向けてGREEN ×EXPO 2027が担う役割とは」。ほかにも、イベントレポート、話題の園芸店や人物紹介、園芸業界でおさえておきたいトピックスなど、注目のテーマが目白押し。業界誌だからこそ発信できる貴重な情報の一部をお見せします。
未来へつなぐ みどりとコミュニティ
今号の特集は、「未来へつなぐ みどりとコミュニティ」。公園やガーデンは、地域の人が集まり交流し、みどりと触れ合える重要な場です。しかし、資金や人手の不足により維持が難しくなってきている現状があります。
今あるみどりやコミュニティを発展させ、長く続けていくには何が必要なのでしょうか。
特集内では、「社会・地域を変えていくコミュニティガーデン」について、一般財団法人公園財団常務理事・町田誠さんに執筆いただいたほか、下記4つのプロジェクトをご紹介しています。
1. くつろぎ×わくわくの空間づくりが長く愛される公園を生む(大阪府大阪市:長居公園)【長居わくわくパークプロジェクトチーム】
2023年に開催した「スタジアムぼんおどり〜スタぼん」は大人気イベントに。裸足で芝生の気持ちよさを感じてほしい、と開催に合わせて芝を長めに調整した。
2. 公園を「ジブンゴト」の場にまちを楽しむ土壌をつくる(岐阜県各務原市:各務原市民公園と学びの森)【一般社団法人かかみがはら暮らし委員会】
これまで2回開催した「花と緑のピクニック」。市民公園に花を植えてもらった後、花壇に名前を付けてネームプレートをさした。「公園と家をつなげたい」との思いから、余った苗を家庭用に配布し、家でも公園と同じ苗を育てることで再来園の機会を増やした。
3. 宿根草のガーデンづくりを通してコミュニティガーデンの担い手を育成(東京都調布市:神代植物公園)【JINDAIペレニアルガーデンプロジェクト】
園内の宿根草園をリニューアルする植え付けイベントに集まった皆さん。一般参加者、全6回のJINDAIペレニアルガーデンプロジェクトワークショップ参加者を含み総勢130人でペレニアルガーデンを作った。
「花で人と人をつなぎたい」という思いが地域の人を巻き込むガーデンづくりへ(神奈川県横須賀市鷹取)【Kid’s Heartful Garden】
京急線に沿うように南北に走る国道16号線の歩道部にある9㎡弱の花壇の植え付け作業の様子(2023年12月)。花がなかった花壇にコミュニティガーデンをつくりたい、と主婦主導でプロジェクトが始まった。
各プロジェクトの詳細については、本誌をご覧ください。
(広告の後にも続きます)
特集:世界バラ会議福山大会2025から 世界に誇るばらのまちへ
いよいよ来年に迫った「第20回世界バラ会議福山大会2025」(2025年5月18日(日)~24日(土)開催)。100万本のバラのまちとして市内のバラづくりに取り組んできた福山市は、2025年を契機に、日本が誇るバラのまちとして市外と海外に向けてアピールしていきます。
本特集では、その起爆剤となる世界バラ会議と、新しいバラの展覧会「Rose Expo FUKUYAMA 2025」のほか、市民と企業、学校によるバラのまちづくりを取材。下記の内容をご紹介しています。
◆来年に向けてプロジェクト進行中! 世界バラ会議福山大会2025
日本で2度目の世界バラ会議まであと1年。福山市では、市民を巻き込んだ市をあげてのイベントで、開催を前に「大会◯日前」とうたったイベントを行いながら機運を高めています。
一つ目の起爆剤となる世界バラ会議のプログラムについて、世界バラ会議推進プロジェクトマネージャーの上田善弘さんにお話をうかがっています。
2022年4月に募集を開始し、世界5カ国から38品種の応募があった「まちを彩るバラの新品種国際コンテスト」。各応募品種につき7株ずつを送っていただき、メイン会場の市園芸センターに3株、街中道路沿い会場に3株を植栽し、残り1株は鉢植えに。昨年1年間で株を育成し、2024年5月、10月、2025年5月の3回、審査委員が審査。世界大会開催中には海外の参加者による人気投票も行われ、総合的に評価して大会記念バラが表彰される。
大会前に行うプレツアー(5泊6日)や、大会期間中のデイツアー、大会後のポストツアー(5泊6日)など各種視察ツアーが行われる。
「アジアのバラ」「品種保存」「耐病性」などのテーマについて講演が予定されている。
◆日本一のバラの聖地を目指す Rose Expo FUKUYAMA 2025
2018年の国際バラとガーデニングショウ終了以降、バラにまつわる全国規模の展示を求める声は少なくありません。福山市では世界バラ会議に合わせて、例年開催している「福山ばら祭」に加え、バラの新品種コンテスト、そして「Rose Expo FUKUYAMA 2025」を新たに開催します。市民からまちへ、まちから全国へとバラの観光地化を推進し、日本のバラの聖地となることを目指しています。
日本の新たなバラの祭典、「Rose Expo FUKUYAMA 2025」とはどんなイベントになるのでしょうか。本誌では、総合プロデューサーの白砂伸夫さんにお話を伺っています。
白砂さんによる会場のイメージスケッチ。
Rose Expo FUKUYAMA 2025
テーマ:ばらの世界を旅する
日時:2025年5月17日(土)〜19日(月)
会場:福山通運ローズアリーナ(福山市緑町公園屋内競技場)広島県福山市緑町2-2
お問い合わせ:TEL 084-928-1210(世界バラ会議福山大会実行委員会事務局)
ウェブサイト:
◆提案型事業で市民も参加。「ばらのまち福山」を世界へ発信
福山市がバラのまちになっていったきっかけは、バラ愛好家の市民による活動です。現在はバラを愛する市民が増え、バラは市民のシンボルにもなりました。
そんな福山市では、世界バラ会議に向けて2023年7月3日から10月31日まで、「ばらのまち福山」を盛り上げる市民・企業提案型から事業を募集。予想の2〜3倍となる103件の提案が集まり、全て採択されました。
すでに動きがある事業としては、「みんなでつくる! 巨大ばらゲタプロジェクト」(まつながまるっとプロジェクト)、バラ剪定をアップサイクルしたサスティナブルジーンズの開発(篠原テキスタイル)、バラを使ったスイーツピザの開発(オーガスト(LOVEゲリータ))、福山のバラのお香制作(福山市立光小学校)などがあります。
「みんなでつくる! 巨大ばらゲタプロジェクト」。下駄の産地である松永地区で、発泡スチロールでできた高さ2mの巨大下駄にティッシュペーパーで作ったバラを飾っていく。
食用バラをあしらったスイーツピザの開発。ピザ生地にはバラ酵母を使用している。