プロ野球日本ハム、巨人などでプレーした野球解説者の小笠原道大氏(50)が2024年6月30日に公開された元巨人投手・高橋尚成氏のユーチューブ動画に出演し、フリーエージェント(FA)で巨人に移籍した際の秘話を明かした。
小笠原氏は社会人野球のNTT関東から96年ドラフト会議で日本ハムから3位指名され入団。「ガッツ」の愛称で親しまれ、02年、03年と2年連続で首位打者のタイトルを獲得するなど、打線の主力としてチームをけん引した。
FAは日本ハム残留、巨人移籍の2択
06年シーズン中に国内FA権を取得。シーズン終了後に権利を行使し巨人に移籍した。
巨人では1年目から4年連続で3割をキープするなど主力として活躍するも、11年シーズンから出場機会が減り、14年に中日に移籍した。中日では2年間プレーし、その後、中日、日本ハム、巨人でコーチを歴任した。
パ・リーグを代表する打者だった小笠原氏のFA宣言は当時、大きな注目を集めた。
日本ハム残留を含め、複数球団による争奪戦が予想されたが「結果(巨人の)1本釣り」だったという。小笠原氏によると、探りにきた球団はあったものの、結局手は挙がらなかったという。
小笠原氏の選択肢は日本ハム残留、もしくは巨人移籍の2択だったという。その中でなぜ巨人を選んだのか。小笠原氏は次のように説明した。
「(交渉の席で)何枚か資料があった。いろいろ細かく書かれていた。結果だけじゃなく、取り組みとか。当の本人からしてみたら、そこまで見てくれたんだと。たとえば、紙1枚で『この成績だからこれでお願いします』というのと、『これだけ評価しています』とではどっちがいい? 前にいたファイターズでここまで頑張りました。20何年ぶりに優勝しましたという中で、じゃあ次どうするのと考えたときに、やっぱり傾く部分はあるかな。だから(資料に)全部目を通した時点で『自分でよければ力になります』と」
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巨人では選手の髭や長髪、茶髪がご法度
小笠原氏の巨人移籍に際して話題となったのが、トレードマークの髭だ。「常に紳士たれ」がモットーの巨人では、「社会人の模範にならなければいけない」という理由から、選手の髭や長髪、茶髪がご法度とされている。
巨人入団に際して小笠原氏は髭を剃るのか、生やし続けるのかが注目される中、入団会見に姿を見せた小笠原氏の髭はきれいに剃られていた。
小笠原氏によると、巨人から髭に関して何も言われていなかったが、自らの意思で入団会見の朝に髭を剃ったという。その理由について、こう説明した。
「野球以外のことを極力話題にしたくなかった。それが本当の話。後から言われたのが、『原さんは別に髭は良かったよ』と。本当に言ったかどうかは分からないけども、それぐらいOKだったくらいの感じで来てほしかったのかな。最終的に伸ばしていたら言われていたかもしれないけど、逆にいえば先に剃ってよかった。入団会見で生やしています。まず1番最初の質問が『髭を剃りますか?』でしょ」
小笠原氏は23年シーズンまで巨人の打撃コーチを務め、原辰徳監督(65)の退任に伴い退団。現在は野球解説者や野球教室での指導など幅広く活動している。