連載「FPに聞きたいお金のこと」、今回はご両親の介護を通して、自分が介護される時のお金をどう貯めるか考えはじめた50代女性からのご相談です。介護保険サービスはありますが、実際に介護に必要な平均額なども併せて紹介します。

50代女性Kさんの相談内容

両親の介護を夫と二人で始めて4年目です。介護をしながら思うのは、自分がされる側になった時の貯金額はどれくらいで、どのようにして貯めたらいいのだろうということです。アドバイスお願いします。

既にご両親の介護をされているということで、介護保険の仕組みや実際にかかる介護費用などはかなり把握されていると思いますが、ご自身の際の介護についてはいくらぐらい、どのように貯めるべきなのか?その考え方について提言したいと思います。

(広告の後にも続きます)

介護にかかる費用は?

生命保険文化センターが行った2021(令和3)年度の生命保険に関する全国実態調査によると、世帯主または配偶者が要介護状態となった場合、必要な初期費用の平均は234万円となっています。加えて、初期費用以外にも月々の負担が必要です。その月々の費用の合計平均額(介護保険範囲外)は、なんと3074万円。ただ、その額には大きな開きがあり、300万円未満と回答した人もいれば6000万円以上という回答もあります。一番回答が多かった分布は「1000万円~2000万円」です。