満期、運用期間など特徴の違う運用や積立を
資産運用
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「75歳から85歳にかけて介護が必要になる」といった具体的なプランが視野に入ってくると、そのためのお金の貯め方もより具体的になります。仮にこのプランを前提にすると、50代のKさんの場合、75歳までおよそ20年あります。20年という期間は、資産運用を行う上で、「長期」を通り越して、「超長期」に該当します。よって、投資信託等である程度リスクを取って資産をふやすことを意識するのも大切です。その際にいくつか特徴の違うタイプに分けておくと良いでしょう。
例えば成長著しいアジア株などのファンド、堅実でやや高い利回りが期待できる先進国の債券など。といった具合です。リスクの大きいものほど大きなリターンが期待できます。ただし、そのためには一定の期間を要する場合が多いです。いくつかの運用対象に分けておくことで、将来、介護以外にも様々な老後資金が必要となるため、その都度、より適したものから換金するといった柔軟な対応が可能となります。
例えば、「介護初期の一時金として100万円必要」となった場合、その段階で一番利益が生じているものを解約するといった具合です。
もちろん、民間の生命保険会社が販売している介護保険なども、選択肢の1つとして検討してください。一定の条件を満たせば終身年金として受け取れるものもあります。貯金、保険、そして投資商品、1つ1つ長期的な視野でいくつかに分けておくことが介護への備えとなりそうです。
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貯蓄はがんばり過ぎないことも大切
現在、ご両親の介護に向き合われているので「自分の時は・・・」と心配になるお気持ちも十分に理解できます。しかし過度に介護のことばかりを考えお金を貯めるというよりも、「老後資金全般をできるだけ多く蓄えておく」という意識で取り組むことが大切です。ただし、無理のない範囲で取り組んでください。
よくあるケースですが、お金を貯めることや節約すること、住宅ローンを繰り上げることなどに注力し過ぎて、趣味など自分の時間を犠牲にするといった人も少なくありません。もちろん、節約や貯蓄が楽しく趣味としているのであれば良いのですが、過度に買いたいものや遊びたいことなどを我慢して、とにかく貯蓄を優先するという人もいます。
医学的なことは門外漢ではありますが、ある程度、笑顔で趣味を楽しんだり、芸術やコンサートなど一流のものに触れたり、外食や旅行をするような生活が健康にも良い影響を与え、結果的に介護費用がそれほど必要のない人生につながるかもしれません。
「介護費用として、とにかく1円でも多く貯める」という意気込みは大切ですが、だからといって眉間にしわを寄せて家計簿とにらめっこばかりしていては心身ともに疲れてしまうかもしれません。ご両親の介護に向き合いながら、1つ1つできることからご自身の介護準備を始めてください。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。