そのまま救急外来を受診
とはいえ、夫の尋常ではない様子から症状があるうちに病院を受診したほうが良いと感じ、すぐ車に乗せて最寄りの病院にある救急外来に行きました。
金曜日の夕方だったこともあり、待合室は順番待ちの人でいっぱい。不安も相まって、ずいぶん長い時間待ったような気がしました。待合室でつらそうにする夫に横になるよう促しましたが、なぜか横になるのを嫌がっていました。
幸か不幸か、順番を待っている間に夫の症状は軽快してきました。
診察室で、問診と医師の指示により頭を傾けたり、起き上がったりという診察を受けた夫。診断の結果は、「良性発作性頭位めまい症」でした。
良性発作性頭位めまい症は頭の向きを変えたときや、ある特定の位置に頭を向けたときに発作性のめまいを生じるのが特徴だそう。待合室で夫が頑なに横になりたがらなかったのは、横になることでめまいが強く感じられたからだったのです。
この病気の原因は、内耳の耳石が剥がれたことによるものだそうです。耳石とは、方向などを感知するための耳の中にある炭酸カルシウムの結晶です。何らかの原因で剥がれ落ちた耳石が耳の奥を刺激すると、強いめまいが引き起こされるとのことでした。
医師が言うには、耳石が落ちる仕組みについては不明な点が多いものの体質や過労、ストレスが原因だと考えられるとのこと。夫の症状も軽快していたため、めまい止めの薬をもらい自宅で安静にすることになりました。
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原因はストレス?心当たりは…
今回夫の体調不良の原因となった可能性が高かったのが「ストレス」ですが、パワハラや飛び込み営業による疲労の蓄積など、大いに思い当たるところがありました。
当時、私は高額の費用がかかる不妊治療中で無職。そのため夫は長く勤めている会社を辞めるわけにいきませんでした。
結局、原因であろうストレスからすぐには逃れられず、しばらくは再発におびえながら薬をお守り代わりに持ち歩く日々が続きました。
しかし、ほどなくして経営が悪化していた新会社は解体し、本社に吸収されることになったのです! 今がチャンスと思い、夫は転勤と職種変更を願い出て不慣れな土地やつらい営業職からも離れることがかないました。
長く営業職を続けていましたが、もともと社交的ではない夫にはちょうどよい転機になったようでした。ストレスの原因と距離を置いた環境で働けることになり、夫婦ともどもホッとしたことを覚えています。この夏以降は、一度だけ軽いめまいの症状が出たものの、ひどい発作はなく過ごせています。