サマーガーデンにおすすめの植物の組み合わせ例


Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich

植物を組み合わせるというのは、接ぎ木のように2種を一株にする手法もあれば、寄せ植えや花壇のように、さまざまな植物を配置して景色を楽しむための組み合わせもあります。極端に生育環境の異なる植物同士を合わせなければ、組み合わせ方は自由自在。ぜひ、お気に入りの組み合わせを見つけてみましょう。

ここでは、いくつかのバリエーションをご紹介します。

ブルー&ホワイトの夏のガーデンアレンジ


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青と白の組み合わせは、その色合いを持つデルフィニウムやカンパニュラが手に入りやすいことから、取り入れやすいカラーコーデです。涼しげなので、夏のガーデンにもおすすめ。青と白のデルフィニウムを混植するほか、青のデルフィニウムと、白い花としてガウラや宿根フロックス、モモバギキョウを組み合わせるのもいいですね。モモバギキョウは開花期間が長く、また花がら摘みや切り戻しになどの手入れでさらに長く楽しむことができます。

デルフィニウムを地植えにする際は、少し注意が必要。強い雨風によって倒れたり傷みやすく、一夜にしてその美しさがなくなってしまうこともあります。けれど、その冴えた青色は美しく、育てる価値は十分にあります。適した場所を見つけられたら、本当に美しい姿が見られますよ。

クラシックでエレガントなホワイトアレンジ


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イギリス・ケントのシシングハーストカースルガーデンは、その完璧なまでに美しいホワイトガーデンで有名です。花壇を縁取る緑の生け垣と、白花ばかりを集めた花壇は、背景のレンガの城や塀と鮮やかなコントラストを描きます。個人的には、暗赤色のレンガ造りのイギリスの城の多くは、その大きさと周囲に何もないことも相まって、ちょっと重厚すぎるように感じてしまいます。フォーマルガーデンやランドスケープデザインがそうさせるのかもしれません。

けれど、ホワイトガーデンの美しさは格別。そこからインスピレーションを得て、自宅にもホワイトガーデンをつくってみるのはいかがでしょうか。ホワイトガーデンに利用したい花は、白花のピオニー、宿根フロックス、ヤツシロソウ、シルバーリーフも魅力のリクニス・コロナリアやセント―レア・モンタナ、ニガヨモギなど、たくさんの種類があります。

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我が家の夏の庭に咲くローメンテナンスな花々


我が家の庭に咲くヘメロカリス(左)とルドベキア(右)。

私のパーマカルチャーガーデンでは、今年はルドベキアとヘメロカリスが美しく育っています。このエリアには、非常に強健で、かつ周囲の緑から浮き上がり広い庭でも主張するはっきりした色合いの花が欲しかったのです。

ルドベキアは土に種子を播いた状態で届き、そのまま土に置いておいたらその場所で発芽してしまいました。じつは庭の小径の真ん中で育ってしまったのですが、幸いただの土の通路だったので、通路のほうを植物に合わせるように変更しました。

毎年、本当にヘメロカリスは頼りにしています。花数も多くたっぷりと咲き、発色も素晴らしいですし、ローメンテナンスで、手入れは時々花がら摘みとして終わった花を取り去るだけです。将来、いくつかの種類を追加すれば、よりカラフルなガーデンになっていいかもしれません。


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夏はいろいろなガーデンやガーデンセンターを見て回るチャンス。もし気に入った植物や組み合わせ方があれば、ぜひ写真を撮って記録しておきましょう。後から見返して確認したり、同じや似た組み合わせを再現するときに役立ちます。特に、台風の後にもきれいな姿を保っているものは、強い植物として覚えておきたいもの。新しい経験やチャレンジができる夏が待っています!

Credit

話・写真 / Elfriede Fuji-Zellner
– ガーデナー –


エルフリーデ・フジ・ツェルナー/南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子供向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。

Photo/ Friedrich Strauss Gartenbildagentur/Stockfood



まとめ / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。