昭和22年(1947年)創業の「湖月」が作る餃子は、皮は厚さが0.35mmと一般の餃子の皮の半分以下の薄さ、餡にはブランド豚「とびうめ豚」をたっぷり使い、ニンニクと生姜は有機栽培のものを使っています。餡は少なめですが、口に入れると豚肉のコクとジューシーな肉汁がたっぷりと広がります。
これまで3000店以上の餃子を食べ比べてきた私ですが、行きたいと思いながら未踏のお店がまだまだ沢山あります。その中の筆頭のお店の1つに挙げられるのが、今回ご紹介する「湖月」です。
昭和22年(1947年)に大分の別府で創業した「湖月」は、日本で最も歴史のある焼き餃子専門店の一つだと言われています。
創業者の上瀧ミサヲさんは、戦時中に満洲で料亭を営んでおり、そこで雇っていた中国人料理人から餃子やラー油の作り方を教わり、戦後別府で餃子専門店として「湖月」を創業されています。
そんな超老舗店でありながら遠方ということもあり、なかなか訪問できていなかったのですが、なんと「湖月」の餃子がお取り寄せで気軽に購入できるようになったのです。
お取り寄せ用の餃子を作っているのは、「湖月」本店の二代目店主さんの甥にあたる方が始めた「湖月」久留米店。唯一の系列店として本店の伝統の味を忠実に受け継ぎ、平成21年(2009年)から久留米で営業しています。
「湖月」の餃子の最大の特徴は皮です。厚さが0.35ミリと、一般の餃子の皮の半分以下の薄さです。更にこの皮は四角い形をしていて、ワンタンにも似た独特の包み方をしています。
この皮の薄さと包み方によって、餡の中から溶け出してきた豚肉の脂とごま油が皮にしみて、旨味とともにパリッとした焼き上がりの食感を演出します。
もちろん餡の材料にもこだわっていて、豚肉にはブランド豚の「とびうめ豚」をたっぷり使い、更には香味野菜のニンニクと生姜は有機栽培のものを使っています。
キャベツも地元福岡産。餡の量は少なめなのに、餃子を頬張ると口の中に豚肉のコクとジューシーさが広がるので驚くと思います。
一般的に、薄皮にジューシーな餡を組み合わせるのは難しいと言われているのですが、「湖月」の餃子はこのバランスが絶妙にとれていて、全く違和感がないのが不思議です。これが老舗店の技術なのでしょうね。
付属されているタレと、「湖月」の特製ラー油をつけて食べるのがオススメの食べ方です。特に創業者が満洲で習ってきたラー油が素晴らしく、辛みは控えめで旨味がしっかりとしていて、餃子との相性が抜群に良いです。
ビールのお供としても活躍できるだけでなく、餡の味がしっかりしているので、ご飯のお供としても主菜としても活躍できる餃子ですので、是非一度お試しください。
パリッとした軽めの食感とジューシーな餡が、クセになると思いますよ。