カメムシの大量発生の原因は?


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では、なぜ今年はこれほどカメムシの発生が多いのでしょうか? その理由として考えられているのが、花粉と暖冬です。花粉症の方はご記憶にあるかもしれませんが、23年は花粉の飛散量が多く、カメムシのエサとなるスギやヒノキの実が豊作となったため、カメムシの発生も増加。さらに、暖冬によりその多くが越冬でき、冬を越えた空腹のカメムシたちがあちこちで活動しているというわけです。この場合、今後温暖化の影響によりカメムシの越冬が容易になり、大量発生が頻発することも考えられますね。

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カメムシの被害が発生しやすい環境・植物は?


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カメムシには白っぽい色の壁や洗濯物、キラキラ光るものなどに集まりやすいという習性があり、複数のカメムシが集まるとさらに仲間を呼ぶのだそう。家の中にカメムシを呼び込まないためには、白っぽい色の衣服を洗濯したら、室内干しにするか、白色のものを内側に、黒などの色ものを外側に並べて干すようにするとよいでしょう。取り込む前にカメムシがついていないかの確認もお忘れなく。また、夜間の蛍光灯の明かりには集まりやすい一方、LEDライトにはほとんど集まらないので、照明器具を取り替えることも効果的です。

また、ガーデニングにおいてカメムシによる被害がよく発生するのは、リンゴやナシ、イチジクなどの果樹。家庭菜園で人気のトマトやピーマンなどの果菜類や、エダマメなどの豆類も被害にあいやすい植物です。カメムシに吸汁されると、若い果実では変形や落果など、熟した果実では腐敗の原因になるほか、食べても異臭がします。果実だけでなく、新芽や茎葉も加害し、パセリ、ニンジン、コリアンダーなど、セリ科の植物を特に好みます。多くの植物に発生し、生育や収穫に影響が出るので、家庭菜園では注意が必要な害虫です。


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カメムシが好む植物が多く、カメムシが発生しやすい家庭菜園ですが、カメムシはミントやレモングラス、ティートリー、ローズ、ゼラニウムなどの香りを嫌うため、ミントを野菜の周囲に植えるとカメムシ除けに効果があるそうです。ただし、ミントは生育旺盛なので、繁茂しすぎないように鉢植えにするなどコントロールを忘れずに。