実はこの店…..

「オーナーがあちらでお待ちです」「え、お祖父ちゃんもう来ているの?」「あの奥の席にね」

実は、このフレンチレストランのオーナーは私の祖父。わざわざ今日来てくれるようお願いしておいたのです。目が点の彼女に、夫がとっておきの営業スマイルで話を始めました。

「幼稚園では妻と娘がお世話になっています。また、いつも当店をご愛顧くださり、ありがとうございます。毎回ご一緒の男性が変わるので、私どもは失礼のないよう誠心誠意サービスしておりますが、至らぬ点がございましたら何なりと……」

「何の話!? あんた、ただのウェイターが偉そうに……!」と金切り声を挙げたボスママに、それまで黙って奥の席にいた祖父が、ついに鶴の一声を発しました。

「他のお客様の迷惑です。いくら孫の知り合いでも、マナーを知らない方はお帰りを」

こうして、うちのレストランから出禁をくらったボスママは、取り巻きたちからも白い目で見られるように。その後、実は彼女がホスト遊びにハマっていたという事実も判明し、離婚話まで出ているのだとか。幼稚園の送り迎えですれ違ってもすっかり萎縮した彼女は、これまでの言動がウソのようにおとなしくなったのでした。

一方の私は、仲良しのママ友と一緒に、今日もおしゃべりに花を咲かせています。
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まるでドラマにでも出てきそうな、高飛車で非常識なボスママ。仲間外れにして嘲笑しようとするなんて大人げないですね。鼻を明かすことができ、スッキリしたのではないでしょうか。

著者/ウーマンカレンダー編集室/スカッと
読者からの体験談をお届けします。