植物育成LEDライトは、多肉植物や観葉植物など、インドアグリーンを楽しむ際にその成長をいい感じにサポートしてくれるスグレモノ! でも、いざ買おうかなと思っても種類は多いし、調べれば専門用語ばかりで、困っちゃいますよね。今回はAMATERASで有名なBARREL社に、植物育成LEDライトのあれやこれを聞いてきました。

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植物育成ライトとは? 基礎知識とその機能

植物育成ライトの目的

植物育成LEDライト(以下育成ライト)の目的は、植物の成長と発育を促進することにあります。
波長の強弱が最適に調合された光を照射することにより、植物の光合成を助け、栄養分の生成を促し、植物の成長を調整し、茎や葉、花や果実などの発育をサポートします。

また、季節や地域の気候条件に左右されることなく、安定した成長環境を提供してくれるだけでなく、特定の波長の光が害虫や病原体の発生を抑制し、植物を健康に保ちます。

このように多くのメリットがあるため、ご家庭から園芸のプロに至るまで、育成ライトは幅広く活用されています。

育成ライトを使うことによって、自然環境とは異なる室内で健康に育つ手助け※をしてくれるわけですから、室内で植物を育てている方はもちろん、多肉植物の梅雨越しや越冬の際の日照不足対策に、ぜひ積極的に使っていただきたいです。

※植物が室内で健康に育つには、光のほかに風と温度も重要な要素となります。

【風に関してはこちらの記事で解説しています】
観葉植物などの栽培に役立つサーキュレーターの使い方をプロが徹底解説!

【波長とは】

この記事では、「波長」という言葉が頻繁に出てくるので、はじめに波長について解説します。

波長とは、1つ分の波の長さのこと。電磁波である光にも波の性質があり、この波長によって光の色が決まってきます。

植物の成長に最低限必要なのは、青色と赤色の光。
青色の波長は葉を育てるのに役立ち、赤色の波長は花や実をつけるのを助けてくれます。

近年は青赤のほか、緑色の波長なども成長に役立っていることが判明しており、LED技術の進化もあり、これら単色のみでなく、より複雑な色の波長をミックスして、リアルな太陽光に近づけた、フルスペクトル(後述)というものが主流となっています。
植物育成用LEDライトはこれらの波長を組み合わせて、植物の成長を助けるようにできています。

植物育成LEDライトと普通のLEDの違い

育成ライトと一般的なLEDライトの主な違いは、その目的と光の特性にあります。

発光させる原理は同じですが、育成ライトは、植物の成長と発育を促進させるために特別に設計されており、特定の波長の光を放射し、光合成や植物の成長に必要な光エネルギーを提供します。

一方、一般的なLEDライトは、人間の目に適した光(=可視光スペクトル)の中から特定の波長を選び、照明目的に使用されます。

分かりやすく言えば、何千色とある光という絵の具から、植物が欲しがる色成分だけを抜き出し、パレットで混ぜ合わせたのが育成ライトの光で、人間が快適に生活を営むために目に馴染む色だけをパレットで調合したのが、家庭の照明機器のLEDライトの光です。

つまり、両者には光を出すという目的は共通するものの、光の性質を目的ごとに人の手により変えている、ということです。

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植物育成LEDライトのタイプ

バルブ型


写真の商品はBARREL社製の「NEO TSUKUYOMI」。

バルブ型は、家庭用の電球を交換する時のようにソケットにねじこんで使用します。つまり、使用するには別売りのソケットが必須となります。

ソケットにはさまざまなタイプの商品があり、ダクトレールに設置するものや、自由に動くフレキシブルアームとクリップが一体となったタイプのものが主流となっています。

照射範囲が限られるため、1灯で1〜3鉢を照らすのに適しています。各メーカー、中出力の10Wタイプ〜高出力20Wのタイプのものを多く販売していますが、使用する植物の光への耐性(即ち直射日光に強いか弱いか)で出力タイプを決めるとよいです。

クリップ一体型

使う場所を選ばないのがこのクリップ一体型タイプ。
写真(上)のマンガに出てくる火星人のような商品のほか、Amazonを覗いてみると、一様にクリップ一体型といってもさまざまな形態のモデルが販売されています。

カーテンレールや柱など、挟める場所さえあれば手軽に設置でき、写真(上)のようにフレキシブルアームが付いているモデルは、照射したい位置を自由に決められるため、限られた空間を有効活用できます。

ただし、クリップやアームの強度が弱いと、電球の重さに負けてうまく照射する位置を固定できないため、Amazon等の通販で買う場合は、商品レビューを参考にするとよいと思います。
店頭で手に取って選ぶことができる場合は、クリップ部分やアームの可動部分の動作が硬い商品がおすすめです。

パネル型

パネル型は天井等から吊り下げて使うのが一般的ですが、植物を置くシェルフ(棚)の天板に取り付けて使用する方もいます。
照射面積が広いため、複数の植物を置いたり大きな植物に照射した時に、満遍なく光を届けることができます。

また、BARREL社製のパネルライト「ROKI」のように、専用のスタンドを用いることで、パネルライトをスタンド型として楽しむこともできます。


写真の商品は「ROKI」を別売りの「アイアンライトスタンド」にセットアップしたもの。

パネル型は発光面の面積により照射範囲が異なるため、1灯(1パネル)でどの程度の範囲の植物を照らせるのか、商品スペックを事前に確認しておく必要があります。

スタンド一体型


写真の商品はBARREL社製のスタンドライト「YEW(ユー)」。

スタンド一体型は置き場所さえ決めればすぐに使えるため、育成ライト初心者の方もディスプレイのイメージがしやすく、最も使い勝手がよいタイプです。
高さ調節があるタイプは、照射する植物の大きさによって照射の強弱をはかれるため便利です。

ただし、基本的にスタンド型は照射面積が狭いため、1灯で3〜5号鉢くらいまでの植物を1鉢照らすぐらいの用途に限られます。

スタンド一体型は見た目がとてもシンプルなので、うまくインテリアに取り入れれば、植物の存在感を高めながら空間を有効活用できます。