スイーツ、焼き菓子の世界では、知っていそう?でも実は知らないことが多ですよね。そんなスイーツの疑問に現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくれます。

お菓子のヒミツや、業界にまつわる裏話も深堀り。今回は、プリンとパンナコッタ、そして杏仁豆腐の違いについて聞いてみました! 

似ていてもまったく違うデザート!?

「プリンとパンナコッタ、杏仁豆腐は、それぞれ食感や見た目はとても似ているんですが、実は材料も作り方も異なるスイーツなんです」と大澤シェフ。

「プリンは、卵とグラニュー糖と、ミルクを使います。パンナコッタは、牛乳や生クリームとゼラチン、そして杏仁豆腐は、杏仁霜に牛乳やグラニュー糖などを加えて、さらにゼラチンで固めています」

プリンはイギリス発祥の焼き菓子で、日本では江戸時代後期から明治にかけて入ってきたと言われています。一般家庭に普及したのは1970年代と言われていて、今ではすっかりおなじみの「プッチンプリン」の誕生がきっかけで広まったという説も。

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日本の国民食ならぬ「国民デザート」プリン

「今では、プリンもさまざまな作り方・種類があって、こんなにバリエーションが多いのは日本だけかもしれないですね。シンプルに卵とグラニュー糖を混ぜて蒸しているものから、牛乳や生クリームを入れて低温で焼いているものもあります。最近では使う卵にこだわったり、生クリームを使ったり、クオリティが高いですよね」

確かに、硬め派プリンとやわらかめ派に二分されているようなプリン人気。プリンと一口で言っても、食べる人の好みも細分化されてきていると大澤シェフは言います。

プリンと言えば、カラメルがつきもの。それには何か理由があるのでしょうか?

「多分、もともとプリン自体はそんなに甘いわけではなかったからじゃないですか。かと言って砂糖をたくさん入れてしまうと固まりにくくなってしまうんです。

今では、プリンにもゼラチンを入れて固めることもありますが、昔は素材だけでしっかり固めていた。そこに甘さを加えて食べてもらうためにカラメルが欠かせなくなったのかもしれないですね」