住宅ローンの金利は何の影響を受けるのか?

では住宅ローンの金利はどのように決まるのでしょうか。変動金利型と固定金利型、それぞれで違う要因で決まるので詳しく見ていきましょう。

「変動金利型」

変動金利型の金利は、日本銀行の政策金利に連動している短期プライムレートの影響を受けます。政策金利は日本銀行が景気などを判断して決定する金利で、政策金利が上昇すると短期プライムレートも上昇し、変動金利型の金利も連動して上昇するという関係です。長期金利は少しずつ上昇していますが、短期プライムレートは2009年1月に年率1.475%になって以来、2024年6月までその水準を維持しています。

「固定金利型」

固定金利型の金利は、「10年満期の国債の金利」の影響を受けます。この10年満期の国債の金利を長期金利と呼び、この長期金利が上昇すると住宅ローンの金利も上昇する傾向があります。現在は国債が売られて価格が下がり、金利が上昇している状況です。これは国債の価格と金利が「国債が売られて値下がりすると、金利が上がる」「国債が買われて値上がりすると、金利は下がる」という関係にあるからです。

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Aさんは借り換えした方が良いのか?

さてAさんは借り換えをした方が良いのか考えてみましたが、筆者の答えは「もうしばらく様子を見よう」です。

そもそも論になりますが、現在の変動金利型から固定金利型に借り換えをすると、毎月の返済額は必ずアップします。まずは、このアップした金額を毎月返済していけるのか?という問題があります。

また、返済金額がアップすることについて、「金利が上昇するリスクに備えるために借り換えた」という納得感が得られるかも重要だと思います。加えて固定金利型に借り換えをした後に、変動金利型がもし上昇しなかった場合、「固定金利型に借り換えなければ良かった」といった心理的なストレスも考えておく必要があるでしょう。