毎年スイス・ジュネーブで開催される世界最大の時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(WWG)」。高級時計市場の最新の潮流や注目の最新モデルを紹介する。
注目の新作を厳選
4 月9日から15日まで、スイス・ジュネーブで開催された世界最大の時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(WWG)」。今回8ブランドが新たに参加し、計54メゾンが新作を披露した。主催者によると、来場者も昨年より14%増え、4万9000人を記録し、パンデミック前の盛況を完全に取り戻した。そうした中、現地を訪ねて感じた高級時計マーケットの新しい潮流や、目に留まったユニークな新作を紹介する。
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“盤上”で繰り広げられる、 美の競演
各メゾンは今年も特色のある新作を数多く発表した。とりわけ、時計の第一印象を大きく決める文字盤のデザインにメゾンの想いが強く刻印された。例えば、ロレックス。「パーペチュアル 1908」の新作はアイスブルーの文字盤に繊細なギヨシェ仕上げが施され、クラシックな雰囲気と若々しさが絶妙にマッチしている。
「パーペチュアル 1908」ロレックス(日本ロレックス)/0120-929-570
日本のメゾンとして唯一WWGに参加しているグランドセイコーは、「エボリューション9 コレクション」のRef.SLGW003で工房のある岩手県の平庭高原に自生する白樺の樹皮のモチーフを精緻な型打模様で表現。そこはかとない和の意匠に引きつけられる。インデックスやベゼルなどのデザインも一新され、洗練された手巻きのドレスウォッチに仕上がった。
「エボリューション9 コレクション」グランドセイコー(グランドセイコー専用ダイヤル)/0120-302-617
カルティエでは「サントス ドゥ カルティエ」の新作の文字盤が目を引いた。見慣れた定番の腕時計がブラウンのダイヤルを採用することで新鮮な雰囲気を纏う。サテン仕上げを施したブラウングラデーションのサンレイダイヤルはトップジュエラーらしく優美さも強調する。
「サントス ドゥ カルティエ」カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)/0120-1847-00
photo: ©Cartier
近年のトレンドカラー、グリーンも相変わらずの人気だ。ヴァシュロン・コンスタンタンはスポーティーな「オーヴァーシーズ」コレクションの新作で初となるサンバースト仕上げのグリーンダイヤルを採用。ピンクゴールドのケースやブレスレットとの組み合わせが斬新だ。もっとも、「流行だから」と、グリーンを採用したわけではなく、深みのある緑を生み出すために5 年の試行錯誤を重ねたという。文字盤と同色のカーフスキンとラバーのインターチェンジャブルなストラップも付属し、雰囲気を変えて愛用することもできる。
「オーヴァーシーズ・オートマティック」ヴァシュロン・コンスタンタン/0120-63-1755