元祖レシピの完璧な組み合わせ

チョコレートを合わせるのも一見美味しそうですが、やはり、コーヒーのほうが、味がしまって美味しいです。バナナとトフィーの甘い組み合わせを、キリリと引き締めるコーヒー。コーヒーがとってもいい味を出しているのです。私はどちらでも作ったことがありますが、断然コーヒー派! コーヒーの風味があるとないでは大違いなので、ぜひオリジナルレシピのコーヒー風味で作っていただきたいです。

日本では聞きなれない〈トフィーソース〉の作り方は、コンデンスミルクの缶を、缶ごと鍋でコトコト約5時間茹でるというもの。日本でも昔は缶のコンデンスミルクが売っていましたが、最近ではチューブタイプのものしか見かけませんね。ですので、チューブから耐熱皿などに出して、オーブンで湯煎焼きする、というのが一番よい方法なのかなと思います。チューブごと茹でる方法もあるようですが、チューブの素材が茹でても大丈夫なものなのか少し心配なので、私は試したことがありません。

イギリスでは、バノフィーパイの人気を受けて、すでに煮詰まってトフィー状になったものの缶詰も売られています。これがあれば、すぐにバノフィーパイが作れる! 羨ましい限りです。

ちなみに、〈ハングリーモンク〉は惜しまれながらも2012年に閉店してしまいました。いつか絶対オリジナルを食べてみたい! と思っていたのに、残念です。

今回のレシピでは、パイの部分はビスケットで作る簡単タイプのものを、また、生クリームはコーヒー風味のものにしています。パイ部分で使うビスケットは、ティフィンの記事でもご紹介しましたが、マクビティの全粒粉ビスケットが私のお勧めです。

手軽で美味しさ抜群 スコットランド発祥の「チョコレートティフィン」

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バノフィーパイの作り方

材料 底の抜けるタルト型(21cm)

全粒粉ビスケット……220g

無塩溶かしバター……120g

コンデンスミルク……400g

バナナ……3〜4本

生クリーム……400ml

グラニュー糖……大さじ1

インスタントコーヒー……小さじ1(水にサッと溶けるタイプのもの)

コーヒー豆の粉……適量

作り方

1. オーブンを200℃に予熱する。コンデンスミルクをオーブン焼き可能な容器に注ぎ入れ、アルミホイルを被せる。その容器を、一回り大きなトレイに置き、トレイの半分の高さまでお湯を注ぐ。予熱したオーブンで、約90分湯煎焼きする。 

焼き時間が長いので、時々、お湯の量がトレイの高さの半分くらいあるかどうか確認し、足りなそうだったら、その都度足す。

焼き上がったら、冷ましておく。

2.ビスケットを袋に入れ、叩いて細かく砕く。もしくは、フードプロセッサーにかけてもよい。細かくなったら、溶かしバターと混ぜる。

3.タルト型に2のビスケットを入れ、スプーンの背やカップなどを使って平らにし、冷蔵庫で冷やしておく。

4.冷ましておいた、トフィー状態のコンデンスミルクをよく混ぜて、均一にする。

☆オーブンで湯煎焼きすると、どうしても表面に膜のようなものができてしまいます。気になる方は濾すとよいでしょう。

5.冷やしておいたビスケット生地にトフィーを入れ、平らにする。

6.バナナをスライスして、たっぷりのせる。

7.生クリームとグラニュー糖、インスタントコーヒーをボウルに入れ、ボウルの底を氷水に当てながら、しっかりめに泡立てる。

8.6に7の生クリームをのせ、砕いたコーヒー豆をパラリと表面にかけたら完成。

コーヒー風味のパイですが、紅茶にも合うのが不思議。

一度食べたら病みつきになること、間違いなし! 子供はもちろん、大人もハマる美味しさです。トフィーソースに時間はかかりますが、それ以外は簡単。ぜひ作ってみてくださいね。

Credit

制作・レシピ・写真・文 / The Pudding Party Tomo
– イギリス菓子研究家/パティシエ –


イギリスのプディングの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと活動する、イギリス菓子研究家、パティシエ。ル・コルドン・ブルー横浜校にて菓子ディプロムを取得。英国コッツウォルズのスリーウェイズ・ハウス・ホテルにてイギリス伝統菓子作りの腕を磨く。

〈The Pudding Party Tomoとイギリス菓子作り〉 https://youtube.com/channel/UCV1hGcG5t0SELBBiuJ1GqBA