医療保険は、何が起こるか予測が難しい未来(リスク)に、備えるセーフティーネットです。
ですが、昨今では数多くの保険商品が(保険会社から)発売されているため、自分にぴったりな医療保険を判断するのが難しくなっています。
この記事では、医療保険を選ぶ際の6つのポイントと各年代にぴったりな医療保険の選び方を解説します。
【年代別】医療保険の選び方
20代:必要最低限の保障にして、毎月の保険料負担を抑える
30代:ライフスタイルの変化に応じて必要な保障を選ぶ
40代:健康リスクが高まる年代 これまで以上に保障を手厚く準備する
50代:子どもの独立やライフステージの変化に合わせて保障を見直す
60代:介護や認知症に対する備えを考えながら、定年退職後の収入減少に備える
70代以上:公的医療保険の自己負担を考慮しつつ最小限の保障にしぼる
医療保険の選び方6つのポイント
自分に合った医療保険を探す際は、以下の6つのポイントを中心に検討しましょう。
医療保険の選び方6つのポイント
入院給付金日額を決める
1入院あたりの支払い限度日数を決める
手術給付金のタイプを決める
保険期間を決める
保険料の支払い期間を決める
特約を決める
1. 入院給付金日額を決める
医療保険を選ぶ際は、はじめに入院給付金日額を決めるところから始めましょう。
入院給付金日額とは、病気やケガなどの理由で入院する場合に支払われる給付金のことです。
生命保険文化センターの調査によると、年齢別の入院給付金日額の平均保障額は、次のとおりです。
参照:1日あたりの入院保障額はどれくらい?|生命保険文化センター
上記の結果をみると、男女ともに50歳代が最も高く、男性は10,900円、女性は8,700円の入院給付金日額となっています。
ただし、これらの結果はあくまで平均であり、個室の病室を希望する際は差額ベッド代が、先進医療の治療を受ける場合にはより高額な医療費が発生する可能性があります。
ある程度の貯蓄があるという場合でも、入院時には収入が減ってしまうリスクがあり、会社員や公務員が受け取れる「傷病手当金」も、現在の収入の3分の2程度しか支給されません。
自身の年齢や今後のライフステージを考慮しつつ、上記の平均を目安にして入院給付金日額を決めるようにしてください。
医療保険の入院給付金は日額5000円か10000円いくら設定すればいい?入院時にかかる費用や支払われないケースを解説
入院費用はいくらかかる?1日・1週間あたりの平均額や相場、負担を抑える方法を解説
2. 1入院あたりの支払い限度日数を決める
医療保険に加入する際は、1回の入院で支払われる入院給付金の限度日数を決めることは非常に大切です。
下記の図を見ると、最初の入院で20日間、100日後に同じ病気で25日間の再入院をした場合は、合計で45日間の入院をしたものと数えられます。
このとき、仮に支払い限度日数が30日間の医療保険に加入していた場合、30日間を越えた分については入院給付金が支給されないため、自身の貯蓄から賄わなければなりません。
一度の入院における支払い限度日数は、「30日・60日・120日」のいずれかを選択する場合が多いです。
弊社で独自に行ったアンケート調査の結果によると、4割以上の方が一入院当たりの入院給付金の支払い限度日数を「30日以上60日未満」としていることがわかりました。
また、「令和2年 患者調査の概況 | 厚生労働省」によると、令和2年度の平均在院日数は19.0日となっています。
支払い限度日数が長くなるほど保険料は高くなりやすいので、毎月の保険料とのバランスをみながら支払い限度日数を決めていきましょう。
3. 手術給付金のタイプを決める
医療保険の手術給付金には、大きく分けると次の2通りがあります。
医療保険の手術給付金の種類
倍率変動型:手術の種類によって倍率が変動する給付方法
倍率固定型:手術の種類に関わらず、給付額が固定されている給付方法
手術給付金は、入院給付金に対しての倍率で金額が決められるケースが一般的です。
倍率変動型は、手術の種類によって倍率が変動するタイプで、悪性新生物(がん)などの重大な手術の場合は入院給付金の20~40倍、軽度の手術の場合だと5~10倍程度と定められていることが多いです。
一方の倍率固定型は、手術の種類に関わらず給付額が固定されているタイプで、入院時の手術に対しては入院給付金の10~20倍、外来の手術の場合は入院給付金の5~10倍程度に定められていることが多いです。
弊社で独自に行ったアンケート調査を参照すると、医療保険加入者の5割以上が自身の手術給付金のタイプを「分からない」と回答しており、残りの約3割は「倍率固定型」を選択していることがわかっています。
手術給付金の支払い金額やその他条件は、医療保険の約款などに記載されているので、事前によく確認したうえで検討するようにしましょう。
医療保険の種類は何がある?公的医療保険と民間医療保険の違いも解説
4. 保険期間を決める
医療保険の保険期間には、終身型と定期型の2通りがあります。
医療保険の保険期間を決める際は、病気やケガに対してどれくらいの期間を備えておきたいかで選びましょう。
たとえば、契約後から一生涯に渡って保障を備えたい場合は「終身型」、子どもが独立するまでの一定期間は手厚い保障を準備しつつ、保険料とのバランスも考慮したい場合は「定期型」を選ぶのがおすすめです。
5. 保険料の支払い期間を決める
医療保険の保険料の支払い期間は、大きく分けると「終身払い」と「短期払い」の2種類があります。
医療保険料の支払い期間
終身払い:毎月の保険料が割安な代わりに、一生涯に渡って保険料の支払いが継続される
短期払い:支払い期間満了後も保障が続き、長い目でみると保険料の総額を低く抑えられる代わりに毎月の保険料負担が大きい
終身払いタイプの医療保険は、毎月の保険料負担が短期払いタイプよりも割安な代わりに、一生涯に渡って保険料の支払いが継続されるため、トータルでの保険料総額は高くなる傾向にあります。
一方の短期払いタイプは、毎月の保険料負担は大きいものの、場合によっては終身払いタイプよりも保険料の総額が安くなるケースがあります。
6. 特約を決める
最後に、医療保険に付帯する特約を決めましょう。
保険会社によって付帯できる特約は異なりますが、一般的には次のような特約を付帯できることが多いです。
医療保険に付帯できる特約の一例
通院特約:退院後も通院治療をした場合に給付金が支給される
先進医療特約:先進医療による治療を受けた場合の自己負担分が保障される
がん特約:悪性新生物(がん)に対しての保障が手厚くなる
三大疾病特約:がん、心疾患、脳血管疾患の三大疾病に対する保障が手厚くなる
女性疾病保障特約:女性特有の病気(乳がんや異常分娩など)に対する保障が手厚くなる
なお、特約を付帯することで毎月の保険料負担は大きくなります。
特約は必ずしも付帯する必要はないので、自身がどのようなリスクに対して備えたいのかを振り返り、選ぶようにしましょう。
先進医療特約はいらない?必要性や選ぶ際の注意点を解説
(広告の後にも続きます)
医療保険の選び方|掛け捨て型と貯蓄型はどっちがいい?
医療保険には、掛け捨て型と貯蓄型の2つがあります。
掛け捨て型と貯蓄型の違い
掛け捨て型:保険料の負担は少ないが、解約返戻金がない※
貯蓄型:保険料の負担が大きい代わりに解約返戻金を受け取れる
※金額は少ないが戻ってくる場合もある
掛け捨て型の医療保険は解約返戻金がない代わりに、その分保険料は割安となっています。
貯蓄型の医療保険は、所定の年齢になると支払った保険料が戻ってくる保険です。
ただし、特約の保険料は掛け捨てであったり、保険会社から給付された金額は差し引かれる事があります。
保険料は掛け捨て型と比べ割高となります。
医療保険は掛け捨てだともったいない?向いている人やメリットデメリットを解説